国内男子ツアー通算48勝を誇るレジェンドの中嶋常幸が13日、ジャパンゴルフフェアの住友ゴム工業のイベントに参加。ツアー2勝の稲森佑貴とともにトークショーやブースでの1日店長などを行い、ファンと触れ合った。
今年10月には68歳となるレジェンド。「もう試合の成績をああだ、こうだいえる年齢でも体でもない。それよりも自分がゴルフでやり残したことがけっこうあるので、それをやっていきたいね。ひとつはアカデミーが順調でやりがいのある仕事だけど、それ以外にもね」と話した。
中嶋のいうアカデミーとは、「次世代の日本のゴルフ界を担う選手を育成したい」と茨城県の静ヒルズカントリークラブを拠点としてジュニア育成を行う「トミーアカデミー」。主宰する中嶋の愛称である“トミー”の名前がつけられている。2012年から始まったが、卒業生には畑岡奈紗や山路晶、蛭田みなみ、今年の男子の注目ルーキーの河本力らがいる。
ジュニア育成にもやる気を見せているが、「アカデミーは柱ではあるが、地方でゴルフをやったことのない子に、ゴルフの面白さや“ゴルフのあいうえお”を教えたい」と、ゴルフをやっているジュニアへのレッスン会ではなく、ゴルフ未経験の子供にゴルフの面白さを伝える“発掘旅行”を計画している。
「例えば、ゴルフ場に連れていって練習場で250ヤード飛ばしたり、フックやスライスとボールを自在に曲げるのを見せたい。練習グリーンではパター戦でハンディをあげて勝負して、ボールがカップに入る爽快感を味わってもらったり、ね」。自身が幼少期の頃、父の打つボールの美しさに感激した経験があることから、魅せることで興味を持ってもらうプランもある。
「体が動くのもあと10年だろうね。教えるのは好きだから、性にあっていると思う。この10年は無駄にしたくない。ゴルフを楽しむ子が増えたり、逸材の卵が見つかるのもいいよね」。長年競技人生を送ってきたが、レジェンドは今年から日本ゴルフ界の底辺拡大のためにも新たな道も開く。
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