今季の国内女子ツアーは開幕から沖縄県、高知県、鹿児島県と舞台を移し、今週は宮崎県で「アクサレディス」が開催される。昨年の最終戦以来となる宮崎大会だが、2日目には強雨も予想されている。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を語る。
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■出だしのパー5がカギ ロングヒッター有利?
総距離は特別長くなく、過去の大会では二桁アンダーは必須という大会で、バーディ合戦が期待できると大西氏はみる。「先週は雨が多く降っていて下も緩んでいるので、キャリーボールが出る選手、飛ばし屋が有利となるでしょう」とコース攻略にはパワーも必要と説く。
「1番も10番もパー5です。飛ぶ選手は2オンも狙えますので、ここでバーディを獲ることで弾みをつけることができます。逆にここで獲れないと置いていかれてしまう感じはあります」
昨年大会優勝者の岡山絵里は初日から「68」、「68」、「67」と60台を並べ、トータル13アンダーで勝利をつかんだ。「土曜日は雨も降る予定ですし、余計にランが出なくなるので、飛ばし屋がなおさら有利になります」と飛距離がアドバンテージとなる。
「そのなかで注目は渡邉彩香選手です。14年大会ではここで優勝していますし、ツアー屈指の飛ばし屋。そのときは18番で劇的なイーグルで優勝を決めました」。昨季は復活優勝も果たし、いまは好調をキープしている渡邉のダイナミックゴルフがコースに向いている。
「西郷真央選手も仕上がっています。体も強いですし」と、小柄ながらパワーあふれるゴルフはコースにも合うと予想する。「常に優勝争いをしていますし、早いですが、賞金女王候補に違いありません」
■振り切る内田ことこがおもしろい!
飛ばし屋有利の法則からすればおもしろい選手がいると大西氏。「先週のTポイント×ENEOSで最終日に爆発した内田ことこ選手はいいですね。テレビでしか見ていませんが、とても飛びますね。振り切る力があります」。本格参戦目1年目ながら活躍の予感が漂う。
「どのショットも共通して振り切っています。動きが止まらないので、フェースの狂いなどもありませんし、そこが強みです。先週はそれほど爆発的なスコアが出るコースではなかったんです。そこで6連続バーディ。先週は勝てませんでしたが、悔しさをバネに頑張ってほしいですね」
昨年は2度のプロテストがあり、レギュラーツアーにも新人が大勢出場する今季。今週は内田を筆頭にどんな新人選手が頭角を現すか楽しみだ。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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