<オーガスタナショナル女子アマチュア(決勝)◇2日◇オーガスタ・ナショナルGC(米ジョージア州)◇6310ヤード・パー72>
「マスターズ」の舞台となるオーガスタ・ナショナルGCで決勝ラウンドが行われる女子アマチュア選手の国際大会は、現地時間2日に閉幕した。日本勢では吉田鈴(日本ウェルネススポーツ大)がただ一人予選を通過。聖地で真剣勝負を行った。そのほかの選手も、4月1日に練習ラウンドという形でオーガスタを回り、その芝を踏みしめた。実際にそこでプレーした選手たちは、何を感じ取ったのだろうか?
トータル7オーバーの20位で大会を終えた吉田は、満足いくプレーができなかったことでラウンド後に大粒の涙を流した。それでも「すごくキレイ。(グリーンは)傾斜が強くてアップダウンもすごかった」と第一印象について話していたコースを回り切り、「マスターズを見るたびに、『ここはこういうショットを打ったな』と思うだろうし、やっぱり一生の思い出に残る試合でした」としっかりと心に刻み込んだ様子。
練習ラウンドでは16番パー3で水切りショットにも成功するなど堪能した。もちろん「海外の選手は、打ち分けができる。私の球は転がってしまい、バックサイドに落ちることが多かった」と日本に持ち帰る課題を見つけることもできたようだ。今年合格を目指すプロテストに向けても、いい経験になったことは間違いがない。
「ここに来られるのはいいこと。一生で一回も回れない人がいることを考えるとうれしい」というのは六車日那乃。ナショナルチームでもプレーし、海外経験も多い19歳だが、当然ながらオーガスタに来るのは今回が初めてのことだった。
試合はトータル10オーバーで予選落ちとなったが、「この数日間で半年生きたくらいの経験をしました」と、貴重な時間を満喫。特にアーメンコーナーの12番パー3を見た時には、感動を覚えたという。
現役のナショナルチームメンバー2人は、来年のリベンジを誓う。昨年11月にUAEで行われた「アジアパシフィック女子アマチュア選手権」を制し、今大会への出場権を得た橋本美月(東北福祉大)は「想像以上のキレイさ。感動しました」と、その景観にウットリだ。
この4月に大学2年に進級したばかり。プロテスト受験については来年以降を考えている。これによりアマチュアとして最低でもあと1年は過ごすため、次回も出場できる可能性を残している。「また来られるよう頑張りたいです。ここを攻略できたら、将来的に海外へ出てプレーしたい」という新たな目標も立てることができた。大学の先輩・松山英樹が昨年マスターズで優勝したこともあり、自らも“オーガスタ女王”を目指してほしい。
日本勢最年少の高校2年生・手塚彩馨(長野・佐久長聖高)は、「去年松山さんが優勝して、ここがバーディを獲ったホールだとか、池に入れた場所だとか思いながら回りました。このホールはこんな景色なんだとか」という楽しみ方をしたそうだ。
こちらもプロテスト受験の規定上、来年も出場できるチャンスを残す。リベンジしたいかという質問には、深くうなずく。次こそはオーガスタで海外勢と争う立場を目指す。
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