<シェブロン選手権 3日目◇2日◇ミッションヒルズCCダイナ・ショアトーナメントC(米カリフォルニア州)◇6884ヤード・パー72>
首位から出たムービングデーに「77」と苦しみ、トータル4アンダーの21位タイまで後退した渋野日向子。それでもツアーワーストスコアとなる「80」を打った前週の最終日と比較すれば、我慢に我慢を重ねられたラウンドだと言っていいものだった。
前週の「JTBCクラシック」では、気まぐれなポアナ芝のグリーンに大苦戦。「きょうはすごく自分のミスが多かった一日で、どうしようもなかった」と最後までボギーが止まらず、外から見ていても、どこか我慢の限界が来ていたように感じた。
同じように厳しい一日となったこの日は、何とかして流れを取り戻そうとしているように見えた。2番でドライバーが大きく右に曲がってから「怖くなってしまった」とティショットがラフに行くことが多くなっても、一つ一つ丁寧にキャディと話し合って、できる限りの対処をした。気持ちを切らさず、1つのパッティングを丁寧に打った。合間にはストレッチをして落ち着こうともして見えた。
そして何よりも、崩れたドライバーへの信頼を何とか取り戻そうとした。「リキんだり、トップが浅くなったりしていました。ちょうどいいところに丁寧に上げるようにして、あとはタイミングを合わせてと思いました」。前半ラフばかりに行っていたティショットは、12番からようやく距離も出て、フェアウェイをヒットするようになった。「それをチャンスにつけられなかったですが…」と話すが、ドライバーとパターの違いはあるとはいえ、最後まで修正できなかった前週に比べれば段違いだ。
本人としては悪いなかでも…という気持ちはなく「成長していたらもっといいスコアで回っている…(笑)」と自虐気味に苦笑い。だが続けて、「あの流れの中でも17番バーディ獲れたし、18番2オン狙えるところまで持ってこられた。あとは気持ちの問題ですかね」と終盤にあすへの望みを作って終えられたのは、成長と言っていいだろう。
もちろん優勝できれば一番だが、今年の渋野にとってはできる限り上位に入ってCMEグローブポイントを稼ぎ、5月のリシャッフルを突破、そして来季のシードを獲得することも重要な任務。だからこそ、苦しいときにも踏ん張らないきゃいけない。「あしたはトップ10に向けて頑張りたいですが、まずは自分のゴルフをしっかりやりたい」。きょうの粘りはきっと最終日、そして将来につながるはずだ。(文・秋田義和)
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