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男子との試合でもらった大きな刺激【原田香里のゴルフ未来会議】

2021年3月まで日本女子プロゴルフ協会（JLPGA）の理事を務め、いまは女子ゴルフ界発展のため尽力し、自身のゴルフ向上も目指す、女子プロゴルファーの原田香里。まだまだこれからと話すゴルフ人生、そして女子ゴルフ界についての未来を語る。
ゴルフを愛するみなさん、こんにちは。原田香里です。地域にもよりますが、満開の桜とともに始まった新年度。環境が大きく変わった方もいらっしゃるのではないでしょうか。これまで通りの日々を続けられる方も、なんとなくフレッシュな気持ちになる季節です。ゴルファーにとって、今週は心躍るマスターズウィークでもありますね。様々な形で、ゴルフを楽しんでください。
今週は、最近、私が経験した2つの大会を通じてゴルフのさらなる可能性を感じたお話を聞いてください。
3月8日に宮崎県のトム・ワトソンGCで行われた「第1回プロアマダブルス スクランブルゴルフ選手権」は、旧知のアマチュアの方と予選を勝ち抜いて出場したものです。3月25日には、「THE OKINAWA OPEN 2022」（沖縄県・かねひで喜瀬CC）でもプレーさせていただきました。
前者は、文字通りプロとアマが組んだダブルス戦で、毎ホール、ティショットはそれぞれが打ちますが、セカンドショット以降はいいほうの球を選んで打っていくことを繰り返す競技方式。後者は、沖縄の本土復帰50周年を記念して行われた18ホールストロークプレーです。
どちらも、出場選手はプロ、アマともに男性が多く、女性は少ないのですが、私以外にも何人か出場していました。女子プロばかり（時々はアマチュア選手もいましたが）の世界で現役時代を過ごした私にとって、競技の場で男子プロ、アマチュアの方とご一緒するのは新鮮な体験でした。
当たり前と言ってしまえばそれまでですが、男子プロはやはりいい球を打ちます。それを見るのは私にも、一緒にペアを組んだ男性のアマチュアにも勉強になりますし、大きな刺激にもなります。全く違う種類の大会ですが、それでも一緒に回っている人たちと会話を楽しみながらプレーするのは、ゴルフならではだと思います。
現役時代の私は、自分のゴルフのことだけで頭がいっぱいで、試合中も他の選手のことを見る余裕があまりなかったというのが正直なところです。岡本綾子さんとプレーした時だけは、一生懸命見てしまいましたが…。けれども、いったん現役を離れ、JLPGA理事として違う立場からゴルフの世界を見たあとの今は違います。ツアーではない競技出場から得るものはものすごく大きいと感じられるのです。
トップゴルファーが集まるツアーは、オリンピック競技にもなっているゴルフという競技の“夢”の世界です。その役割も大きく、そこでプレーする人たちはコツコツと自分のゴルフを磨き、多くの人に見てもらうという大きな使命を持っています。
ゴルフの楽しみ方は、それとは別にたくさんあります。2試合に出て、そのことを肌で感じることができました。よくいわれることですが、老若男女が一緒に楽しむことができるゴルフを、より多くの人に楽しんでもらいたい。そのために必要なマナーも身に着けてもらって、より長く楽しんでもらいたい。そんな思いを強くしました。
沖縄オープンに出場していた倉本昌弘プロ（日本プロゴルフ協会前会長）とお話しした時にも、「ゴルフの可能性は無限大ですね」という話をしました。倉本プロは、同じ中国地方の広島出身ということで、私の父のことも知ってくださっています。一昨年、父も含めて初めて一緒にラウンドもさせていただきました。今回、同じ試合に出場したことで、より深いお話ができたと感じています。
無限大の可能性のあるゴルフの楽しみを、より多くの人に知ってもらいたい。そのために私にできることを何かしてみたい。以前から漠然と抱いていたそんな思いが、今回の経験でぼんやりとですが見え始めたような気がしています。色々考えて動いてみます。どんな形になるか、この先楽しみにしていてください。実現できるといいなぁ…笑。
原田香里（はらだ・かおり）
1966年10月27日生まれ、山口県出身。名門・日大ゴルフ部にで腕を磨き1989年のプロテストに合格。92年の「ミズノオープンレディスゴルフトーナメント」でツアー初優勝。93年には「日本女子プロゴルフ選手権大会」、「JLPGA明治乳業カップ年度最優秀女子プロ決定戦」勝利で公式戦2冠を達成。通算7勝。その後は日本女子プロゴルフ協会の運営に尽力し21年3月まで理事を務めた。

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