<フジサンケイレディスクラシック 最終日◇24日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6447ヤード・パー71>
最終組でプレーした大会最終日。初優勝がかかったラウンドを終えると、疲れがドッと押し寄せてきた。木下彩はほどよい緊張感とともに、長い一日を戦いきった。
2日目に大会コースレコードタイとなる「63」を叩き出し、一気に優勝争いに名乗りを挙げた。同学年で首位の高橋彩華との差はわずかに「1」。しかし、最終的にその差は6打にまで広がった。前日から3つ落として、トータル6アンダー・6位タイ。雨が降るなか4つのボギーを喫した前半については、「ドライバーが曲がっていました。ショットが悪いとダメなタイプなので」と反省する。
早々に優勝が遠ざかるなか、最後まで諦めずにプレー。後半は難関の17番パー3で1メートルにつけるベタピンショットを放つなど、3つのバーディを奪った。「腐らなかったのが良かったかなと」。グリーン上でのイップス克服のため使い始めた長尺パターは、川奈で一躍、自分のトレードマークにもなった。「ショートゲームが下手。ショットの精度を上げて、上にいきたいです」。課題は明確だ。
下部ツアーでは2019年に1勝。今季はQTランキング9位で、レギュラーツアーで開幕を迎えた。スタートから4試合連続で予選落ちを喫したが、直近の4試合は13位、予選落ち、20位、6位と調子を上げている。
渋野日向子の親友としても注目を集める。今年から米国ツアーを主戦場にする友達も、試合があるなかインスタグラムのストーリー(動画投稿)機能に木下のスコアをアップし、「頑張ってね」と応援した。
最後は同組で戦った同学年の高橋の優勝を、自分が勝ったかのように喜んだ。2日目終了後、白黒ウェアを選んだ意図について聞かれた時には、「地味な色が好きなんです。あすも地味に」と言って報道陣を笑わせた。その魅力を多くの人に伝えた大会を足掛かりに、さらに目立つ存在になることを期待したい。
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