<DIOインプラントLAオープン 最終日◇24日◇ウィルシャーCC(米カリフォルニア州)◇6447ヤード・パー71>
畑岡奈紗が圧勝劇を演じて、米国女子ツアー6勝目を飾った。「イメージが悪い」と話していたロサンゼルスの古き名門コースで、他の追随を許さない貫禄の勝利だった。
大会が始まる前はショットに不安を覚えていた。それを大会2日目に修正し、3日目を終えて4打のリードをつくり、最終日にもスコアを伸ばした。最後はご愛嬌のボギーフィニッシュだが、追いすがろうとした世界ランカーたちを圧倒し、5打差での勝利。畑岡がこれまで挙げた米6勝は、すべて最終日に60台をマークし、ライバルたちを蹴散らしてつかんだものだ。
これまで圧勝劇をいくつも生み出した。米初優勝は最終日に「63」をマークして2位に6打差。昨年7月に挙げた4勝目は、最終日が悪天候で中止となったとはいえ、3日目を終えて2位にやはり6打差をつけていた。そして、今回の5打差Vだが、この圧勝方程式は日本でも同じだ。
2017年の「日本女子オープン」では最終日に「65」を記録し、8打差優勝。19年には米ツアーから一時帰国し挑んだ「日本女子プロゴルフ選手権コニカミノルタ杯」で、こちらも2位に8打差をつける完勝。続く公式戦の「日本女子オープン」でも4打差をつけた。最終日にビッグスコアを叩き出す強さが、やはり畑岡の持ち味だ。
畑岡は、そのビッグスコアで海外女子メジャー制覇に近づいたことが過去にもある。18年の「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」だ。首位と9打差からスタートした最終日は「64」で回りプレーオフに進んだ。このときは惜敗したが、メジャーを初めて身近で感じた瞬間となり、悲願は近いとみられた。
その後はなかなかメジャーで好成績を上げることができなかったが、昨年の「全米女子オープン」では難コースを相手に全選手が苦しむなか、またしても最終日に「68」を叩き出してプレーオフに進出。笹生優花に屈したが、メジャー制覇はすぐそこに来ていると言って間違いない。
「(優勝には)1打も差がない」と、この2戦の惜敗は畑岡のモチベーションになっている。「かならず勝てると思っている」と6月からのメジャーシーズンに臨む前に、課題と話す100ヤード以内の精度を上げることに終始し、さらに爆発的なスコアで悲願をたぐり寄せる構えだ。
次のメジャーは6月1週目の「全米女子オープン」。ファイナルラウンドの伸ばしあいにめっぽう強い畑岡のメジャー制覇が、今年はきっと見られるはずだ。(文・高桑均)
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