メジャー18勝、ゴルフ界の帝王、ジャック・ニクラウス(米国)が、「サウジアラビアの新リーグから100ミリオン(130億円)を超える金額のオファーを受けた。おそらく今、グレッグ・ノーマン(オーストラリア)が務めている役職に就くことだったと思う」と“ファイーピットコレクティブ・ドット・コム”のインタビューで話した。
82歳にレジェンドは2度、断ったという。
「一度は口頭で。2度目は手紙を送った。私は『PGAツアーに残らなければならない。PGAツアーがスタートするのを私は助けたのだから』と伝えた」
54年前の1968年にPGAツアーはPGA・オブ・アメリカ(全米プロゴルフ協会)から独立、ツアーを開始した。ニクラウスとアーノルド・パーマー(米国)のがライバルで戦い、ゴルフ人気が博した頃だった。ニクラウスは2014年に松山英樹がPGAツアー初優勝を挙げたメモリアル・トーナメントを自身の出身地のオハイオ州で46年前から開催、また自宅のあるフロリダ州ではホンダクラシックのホストを務めている。ニクラウスは強固に“サウジの新リーグ”に反対する。
「PGAツアーは何百万ドルもの金額を地域の活性に貢献、TV放映も素晴らしい」とし、「PGAツアーから40名もの選手が他のツアーに流れたら、他の選手はどうなる?私はそれが正しいとは思わない」と断罪した。
一方でリブ・ゴルフ・インビテーショナルシリーズの最終戦は5000万ドル(約65億円)の賞金でトランプ・ナショナル・ドラールでの開催、コースを所有する元米国大統領のトランプ氏については擁護した。
今週の全米プロ選手権は本来ニュージャージー州のトランプ・ナショナルGC in ベッドミンスターでの開催だったが、昨年1月、大統領選に敗れたトランプ氏の支持者が連邦議会議事堂に不法になだれ込み一時は占拠した事件を問題視し開催地変更を決定、のちにオクラホマ州タルサのサザンヒルズCCとなった。
「ドナルド・トランプはゴルフの申し子で、並外れたゲームの持ち主だ」とニクラウス。R&Aがトランプ氏所有のターンベリーを全英オープン開催コースから外したことにも意義も唱えた。(文・武川玲子=米国在住)
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