<リシャール・ミル ヨネックスレディス 初日◇3日◇ヨネックスカントリークラブ(新潟県)◇6475ヤード・パー72>
「こんなに緊張したのは初めてです。いや、(宮里)藍さんと一緒に回ったとき以来の緊張でした」。ツアー13勝の実績を持つ成田美寿々から思わず本音がこぼれた。「リシャール・ミル ヨネックスレディス」初日を2アンダーで終えた後のことだ。
昨シーズンはシード落ち。今季は5試合に出場しているが、予選通過したのは前週の「リゾートトラストレディス」が初めてだった。ようやくショットの調子が上がってきたものの、まだ自信を持ってティショットを放てるほどの状態ではない。しかし、今大会の特別協賛をするリシャールミルジャパン株式会社と2020年3月から契約する成田にしてみれば、大事なホステスプロとしての参戦となる。当然のようにスタートの1番パー5のティでは関係者が見守っているため、恥ずかしいところを見せるわけにはいかない。
「1番は左サイドが(OBで)ダメじゃないですか? 絶対に引っかけると思い、昨日の夜から色々考えて、3番ウッドで打とうかなと。でもそれはカッコ悪いよな…。最近スタートホールだけはドライバーでも真っすぐ飛ぶんだよな。やっぱりドライバーかな…」。結局、スタートの15分前まで悩みに悩み抜いた末に、ドライバーを手にすることにした。
一度決めてしまえば、思い切りのよさはプロでもトップクラスの成田。ここ数年の不振はドライバーショットがどこに飛んでいくか分からないことが要因だった、主に左に引っかける傾向があっただけに不安との戦いとなったが、自分を信じるしかなかった。
「それがなんと真っすぐ飛んでいったんですよ。しかも今日イチの当たりで(笑)」。ギャラリーから大きな拍手を浴び、満面の笑みで応えた成田。「もう今日の仕事はこれで終わったという感じでした(笑)」というが、それだけ持てる力のすべてを尽くしたショットだった。
ラウンドの大部分を残しているのに、エネルギーを使い尽くして大丈夫かと突っ込みを入れたいところだが、そのホールでは2打目をグリーン近くまで運び、アプローチでピンそばにつけると、あっさりバーディを奪う。途中8番パー5で2打目を左のOBゾーンへ打ち込み、ダブルボギーを叩いたが、4バーディ・1ダブルボギーの「70」でホールアウト。首位と1打差の5位タイとホステスプロとしては上々のスタートを切った。
「まあ、予選通過は最低限の目標ですが、2日目はパー5でしっかりバーディを奪い、守るところは守っていきたいですね」と、さらにスコアを伸ばすつもりの成田。今回のホステストーナメントをきっかけに、本来のゴルフスタイルを取り戻すきっかけにしたいところだ。(文・山西英希)
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