<BMW 日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ 最終日◇5日◇宍戸ヒルズカントリークラブ 西コース(茨城県)◇7352ヤード・パー71>
16番を終えて2位に2打差のトータル13アンダーで首位に立っていた大槻智春だったが、17番パー4で2打目を池に落として痛恨のダブルボギー。最終ホールでバーディを奪った比嘉一貴にかわされて2位で終えた。
首位と6打差の8位タイで最終日を迎えると、最終組の2つ前の組で前半からバーディラッシュ。後半の15番パー5までに8つ伸ばして、トータル13アンダーまでスコアを伸ばした。
15番でバーディを奪った時点で2打のリードを認識した。「(11アンダーの星野)陸也も15番でバーディを獲ってくるだろうという気持ちがあった。僕の中ではあのまま13(アンダー)で上がったとしてもプレーオフかなと。あと1個は(バーディ)獲りたいと思っていた」。2打リードも、優勝するためにはまだまだ伸ばす姿勢でいた。
16番パー3をパーで終え、迎えた17番パー4。グリーン手前には池が広がる。4日間の平均ストローク4.5908という最難関ホールである。ティショットはフェアウェイをキープし、2打目はピンまで約170ヤード。ここで迷いが生じた。
「手前の池だけは避けたい状況ですけど、奥にいっても難しい状況だと思っていた」。強めの受けグリーンのため、奥5メートルからバーディパットを打ってもボギーになる可能性がある。バーディを狙うために「残り距離的にもピンハイに打っていきたいという気持ちもありました。その中でどっちかに決めきれなかったのが良くなかった」。7番アイアンのフルショットでは少し大きい。軽く抑えたショットは「ちょっとかんだかな」と迷いがミスを誘発する形となった。
初優勝を遂げてから6回目の2位。高い総合力を持ちながらもなかなか2勝目に手が届いていない。「17(番)のセカンドショットはうまく打てなかったですけど、この苦手なコースでこれだけできたのは、今後に向けていい戦いができたと思いました」。前半伸ばして突然優勝争いの渦中にいたことで「(心の)準備不足もあったのかな」と後半を振り返ったが、最終18番は1.5メートルほどのパーパットを緊張しながらしっかり沈めて、単独2位を確保したのは大きい。
「複数年シードが切れるので、(今季の)第一目標はシード権でした。来年のシード権も決まったと思うので、後半戦が楽しみです」。ツアープロである以上、来年の職場を確保する意味でもシード権は最低限の目標となる。それが決まった以上、次戦以降は2勝目に向けて邁進するのみ。(文・小高拓)
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