<全米女子オープン 最終日◇5日◇パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)◇6638ヤード・パー71>
賞金総額1000万ドル(約13億円)と女子ゴルフ史上最高額となった今年の「全米女子オープン」。優勝賞金180万ドル(約2億3500万円)を手にしたのはただ一人2桁アンダーのトータル13アンダーまで伸ばしたミンジー・リー(オーストラリア)だった。
3日目を終えて2位と3打差。3日間すべて60台で回っており、その安定感から優勝への期待は最大級だったが、当の本人は「正直に言うと、一日中かなり緊張していたの」と笑顔の裏では心臓がバクバクだったと明かす。
だが、そんな言葉がウソに聞こえるほどスタートから躍動。出だしの1番で楽々バーディを奪うと、2番では11.5メートルを沈めて連続バーディ。一気に抜け出すと「少し余裕ができた」とその後はボギーを叩きながらも崩れることなく逃げ切った。
過去最大のビッグトーナメント。「正直に言えば私はツアーや女子ゴルフ界で何が起こっているか把握しておきたい」と賞金総額についても、自分が置かれている環境としてしっかり把握していた。だが、ひとたびプレーが始まれば「そのあいだは全く考えなかったわ」と雑念となることはなかった。
優勝を決め、表彰式となればそれは変わる。「私たちは正しい方向に進んでいるだけ。これからさらに良くなると思う。こんな大金を手にしたのは私が初めてだと思うので本当に光栄だわ」と興奮気味。ちなみに使い道は「いろいろあるの。まだ分からないけど、そのうち分かると思うわ」と話すにとどまった。
もちろん、賞金だけでなくこのタイトルがうれしい。「小さいころからずっと勝ちたいと思っていたの。それを実現できて最高の気分。信じられないくらいだわ」と誇らしげに小さいころから「かっこいい!」と思ってきたトロフィーを掲げた。
これでオーストラリア人としてはジャン・スティーブンソン、カリー・ウェブに続く3人目となる本大会勝利。「2人と同じところに名前が入ることができただけでとても特別でとても光栄」。母国にとっても大きなことだ。「これは小さな子供たちにとって大きなことだと思う。私がいいお手本となることで、もっと興味を持ってくれたらうれしい」。これからも子供たちに夢を与える存在であり続ける。(文・秋田義和)
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