<マイヤーLPGAクラシック 事前情報◇14日◇ブライズフィールドCC(米ミシガン州)◇6556ヤード・パー72>
次戦にメジャー大会「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」を控える今週は、その“前哨戦”ともいえる戦いになる。大会開幕2日前の現地時間14日(火)に初めてコースを訪れた古江彩佳が、練習ラウンド中に“魅せた”。
それが実測134ヤードの15番パー3。ティショットで9番アイアンを振り抜くと、きれいにドローがかったボールが、ピンの近くに落ちる。「キャリーでピン付近に行ったらいいねって(とキャディと話してたら)、そこに打てた。もしかしたら入るかなと思いつつ、でも入ることはないかという感じで歩いてました(笑)」。しかしグリーンに到着すると、その“もしかしたら”のほうが起こっている。会心のショットで、米国で初となるホールインワンを達成した。
「覚えている範囲では」少なくとも高校時代から毎年1回はエースを決め続けている。しかし、ほとんどが練習ラウンドでの達成で、試合中はまだないという。さらにこれが“吉兆”になるかと言われると、そうでもないようで、「(エース達成後の試合結果は)変わりないです。よくも悪くもない」と笑う。とはいえ、気分が悪いわけはない。ボールを拾い上げる時には、同組のメーガン・カン(米国)も両手を挙げてよろこび、祝福ムードが流れた。
この試合はあえてルーティンを崩して臨むことに決めている。米国ツアー参戦1年目で、毎試合初めて回るコースが続くため、これまでは開幕までにプロアマを除き2ラウンド、計36ホールを回ることを自らに課してきた。しかし今週は18ホールのみと決めている。
それがどういう結果につながるのかを試す意味合いもあるが、月曜日に降りかかってきたアクシデントもそれを後押ししている。移動日だったこの日は、本来であれば練習だけでもするためにコースを訪れる予定だったが、キャディバッグが届かないという事態が発生した。そこで出場登録だけ済ますと、すぐにコースを出て、空港に保管されることになったそのバッグを取りに行くことに。そして、それで一日が終了することになった。
試合前に練習しない日を設けるのは、「初めてかも」というできごと。移動日にドタバタし決して完全休養とはいかないが、「神様が休めって言ってるのかな」とそれを受け入れている。ただ、すでに気温は30度を超え、蒸し暑さが続く4日間大会なだけに、その“温存策”が後々効いてきそうな気もする。
「日本のコースと雰囲気が似てる。はっきりしたターゲットもあるし、グリーンもきれいにメンテナンスされていて、いいグリーン。違和感なくできそうです」と、この日の18ホールで十分に手応えも得ることができた。あとは「パー5は短いホールが多いから飛ばし屋は狙ってきそう。短いパー4も何か所もあるし、スコアを伸ばさないといけないかな」と予想するバーディ合戦に遅れないようプレーするだけだ。
開幕前日は、午後から18ホールのプロアマに参加。もちろん自分の調整だけを考えるわけにはいかないが、数的には36ホールを回ることはできそうだ。ポイントレース争いで、シーズン終了後の80位までが得られる来季のシード権もほぼ確実な状況(現在29位)。こうなると「試合をやるうえで、そこは目指すところ。まずは上位争いを続けていけることができれば、そのなかで獲れたらうれしい」と意識する“米初優勝”にも期待がかかる。(文・間宮輝憲)
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