<マイヤーLPGAクラシック 3日目◇18日◇ブライズフィールドCC(米ミシガン州)◇6556ヤード・パー72>
最終18番パー5。13メートルのバーディパットを決めると、野村敏京は笑顔で力強いガッツポーズを繰り出した。沸きあがる歓声。8つ目のバーディを奪い、この日のベストスコアとなる「65」がスコアカードに記された。
一気にトータル10アンダー・14位タイまで駆け上がった要因を聞かれると、真っ先に「パター」という言葉が出る。18番もそうだが、とにかくスコスコとボールがカップに吸い込まれた一日。同組で回ったアリソン・リー(米国)が、『きょうはずっとあなたについていくわ』と冗談めかすほど、面白いように決まった。
3日間のパット数を見ると、初日、2日目が28回、そして3日目は26回と安定している。そしてここには2つの秘密がある。1つはヘッドの変更。「先週、短いのを何個か外したのが気になった」と、3年ほど使用していたエースから、今週入れ替えを決断した。それがオデッセイの『トライホット5K ONE』。これまでストレートネックを使用していた野村だが、ここでクランクネックのパターに挑戦。するとすぐに結果が出た。
そしてもう1つが、握り。これまでの順手からクロスハンドに変えると、今週のグリーンとの感覚がバッチリ合った。この部分については「気分的に変えることがよくある」というが、それがハマった形だ。
「ゴルフは、たまにチェンジすることでいい結果が出ることがある。今週からパッティングを変えて、いいイメージで続けてやっていこうと思えたのがよかった」。この2つの変化が生み出した結果に、したり顔だ。
首位のネリー・コルダ(米国)とは8打差。伸ばし合いの大会で、連覇を狙う世界2位を逆転するハードルは高いが、きょう1日で7つ伸ばしたのも事実。「きょうミスした部分をしっかり練習して、明日へいい気分で向かいたい」。腰痛に苦しみ陥った低迷期は過ぎ去った。そんなことを感じさせる圧巻のラウンドだった。(文・間宮輝憲)
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