<アース・モンダミンカップ 初日◇23日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6639ヤード・パー72>
前週の「ニチレイレディス」で初日単独首位、2日目首位タイと駒を進め、最終日に自身初の最終組を回って優勝争いを演じた佐藤心結が、8バーディ・2ボギーの6アンダー3位タイで初日を終えた。
「パー4でティショットをすべてフェアウェイに置くことができました。このコースでスコアをつくるには、フェアウェイをキープすること。それしかないと思っていました。ボギーを打ったときも、ショットは悪くなかったので気持ちを早く切り替えることができたのがよかったのだと思います」
5位に終わった前週の優勝争いの後には、「優勝できず悔しかったけど、次の試合で頑張ろうと気持ちを切り替えた」という。気持ちの切り替えは簡単なことではないが、佐藤はどうやっているのだろう。
「以前は無理にピンを狙っていくなど、イチかバチかのマネジメントをしていました。それがスコアをつくれない大きな原因だということに気づいてから、冷静に判断ができるようになりました」
スコアがいいときは、すぐにジャッジしていた。迷いが一番よくない。そのことに気づいてから「番手間の距離のときに、上のクラブか下のクラブか、左右どっちに外したほうがいいのかなど、冷静に判断できるようになった」のだという。そして「自信を持って打てている」のが、結果につながっている。
またゴルフをしていないときにも、切り替えを大事にしている。「ゴルフのことばかり考えていると、前に進めなくなる」と思った佐藤は、ゲームをやってリフレッシュをしていることを教えてくれた。やっているのは「大乱闘スマッシュブラザーズ」で、さまざまなキャラクターが登場する対戦アクションゲームだ。
18ホールを4時間から5時間で回るゴルフは、その間ずっと集中し続けることはできない。目の前の一打に集中し、打ち終えたら気持ちを緩め、次の一打で再び集中する。集中と弛緩の切り替えが重要になってくる。またミスを引きずっていたら、次のプレーに悪影響を与える。ここでも切り替えが大事な要素になる。ある意味、ゴルフとは切り替えのゲームだともいえる。それを佐藤は理解し、結果を出しているのだ。
明日は強い風が吹くと予報が出ている。「耐えるゴルフになると思います」と佐藤は言うが、難局にぶつかっても“切り替え”で対処してゆくに違いない。優勝賞金5400万円という高額賞金トーナメントでの初優勝も、夢ではないところに来ている。(文・河合昌浩)
<ゴルフ情報ALBA.Net>