<アース・モンダミンカップ 初日◇23日◇カメリアヒルズカントリークラブ(千葉県)◇6639ヤード・パー72>
今季3勝目を狙う山下美夢有が、スタートダッシュを決めた。9バーディ・1ボギーの8アンダーで、2位の稲見萌寧に1打の差をつけての単独首位。午後スタート組でラウンド中に小雨がパラつき、長く伸びたラフが重くなったやっかいな状況での首位発進。「64」はトーナメントコースレコードタイとなるオマケ付きで、会心のラウンドに笑顔を見せた。
「難しいコースなのでプレー前からどう攻めるかを考えていました。8つのバーディはショットが安定していたからです。ただ、8アンダーは自己ベストタイ。9アンダーで回りたかったです」と、満足しながらも貪欲さをうかがわせた。
他を圧倒するゴルフであったのは間違いないが、危ない場面もあったという。ティショットがフェアウェイを外したのが4回あり、最も危なかったのが「10番で打ったティショットがスッポリラフにはまってしまった」ときだったという。
だがそこから、残り167ヤードをUTの5番で打ち、6メートルに寄せてバーディを奪取。雨で重くなったラフで、「振り抜けるか不安もありましたが、うまく打てた」というボールは手前から転がってグリーンをとらえた。
「ショットがよくなかったので修正をした。弾道が低くなっていたので、しっかり高さを意識して打つようにした」と違和感を覚えていたショットの調整を行い、さっそく結果に現れた。
「ラフは入るところによってはかなり厳しいので、あすもフェアウェイキープをしっかりしていきたいと思います。予報では風が強くなるので、その対策も練っていきます」と、長く伸びて密集するラフに加え、荒天も警戒した。
10メートル近い風が予報では出ているが、2日目は風が比較的弱い午前スタート。「特に低い球を打つとかは考えていません。いつもどおりに振っていきます。そしてパー5でスコアを伸ばすのが目標、そこに集中します」と話した。
この日パー5で奪ったバーディはひとつのみ。山下の今季のパー5での平均スコアは4.8072でランキング29位。3.9692でランキング1位のパー4に比較すると、物足りなさがあるのだろう。
山下が今季挙げた勝利は、ふたつとも4日間大会で、今週も同じく4日間。優勝賞金5400万円のツアー最高賞金額をかけた戦いはまだ3日間を残すが、パー5でしっかりバーディを積み重ね、最終日に笑顔でフィニッシュし、4日間女王の称号をつかみにかかる。(文・河合昌浩)
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