<第89回日本プロゴルフゴルフ選手権・最終予選会 最終日◇東条の森カントリークラブ・東条コース(兵庫県)◇7426ヤード・パー72>
89回目を迎える今年の「日本プロゴルフ選手権」は、大会初開催となるグランフィールズカントリークラブ(静岡県)が舞台となる。同コース所属の板東寿匡(ばんどう・としき)は、本戦の出場権をかけた予選・決勝大会で初日「68」、最終日「70」で回り、トータル6アンダー・19位。自力で自身のツアーデビュー戦となる日本プロの切符をつかんだ。
徳島県出身の板東は、日本大学出身。学生時代は目立ったタイトルはないが、「大学4年のリーグ戦でレギュラーになれた」ことをきっかけにプロゴルファーの道を目指す。昨年8月のプロテストに1発合格をして大学を卒業。今年4月には、大学時代から「お世話になっている」というグランフィールズの所属選手となった。所属になる前の3月には1次予選を突破しており、ゴルフ場関係者からは「自分で出場権を取ってこい」と背中を押されていた。
「所属コースでの日本プロは一番出たい大会でした」。自然とプレッシャーがかかり、「途中から意識してしまって。苦しいラウンドでした」と長いパーパットを沈めるなど耐えながらも2つ伸ばすことができた。
ツアー1年目の今季は「関西オープン」と「ダイヤモンドカップ」の予選会で、ともに1打足りず本戦への出場を逃していた。「持ち味はドライバーショットですが、予選会は3Wで刻んだり、攻めの気持ちが足りなかった。今週は攻める気持ちでドライバーを振りました」。自分を見つめ直し、持ち味を生かすゴルフでデビュー戦を決めた。
一番出たい大会の出場を決めて「ひと安心です」と胸をなでおろす。日ごろ所属コースでは、キャディマスター業やキャディなどの業務も行っている。学生時代から慣れ親しんだコースについては、「庭です」と胸を張る。「(グランフィールズは)僕はドライバーを打っていけるのが強みだと思っています。どこでもドライバーをもっちゃいます」。持ち味を出しやすいコース。「(日本プロは)自分のところでできるので、優勝するぐらいの気持ちで戦いたい」と所属コースでのデビュー戦優勝という“快挙”を狙う。
ツアーで活躍する桂川有人、清水大成、木村太一の3人は日本大学の1年先輩。「刺激になりますし、早く同じ舞台で一緒に戦いたいと思っています」。ツアーで戦う足掛かりの1戦とする。(文・小高拓)
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