<KURE Lady Go Cup 最終日(1日競技)◇13日◇取手国際ゴルフ倶楽部・西コース(茨城県)>
国内女子ツアーがオープンウィークの今週。34歳・服部真夕と33歳・一ノ瀬優希の二人の笑顔が弾けた。30歳以上の女子プロ18人が2人1組となり、1日9ホールのペアマッチで競った「KURE Lady Go Cup」は、服部・一ノ瀬組が3アンダー「34」で回り、2位に1打差をつけて優勝。賞金556万円を手にした。
今大会は有村智恵、原江里菜が中心となり、これまでツアーを支えてきた30代の女子プロゴルファーのプレーの場を作りたいという思いから誕生した。競技方法は9ホールのうち最初の4ホールはそれぞれがプレーをしていい方のスコアを採用するベストボール方式、後半の5ホールは1つのボールを交互に打つオルタネート方式。親交の深い服部と一ノ瀬は息の合ったプレーを見せた。
ツアー通算勝利数は服部が5勝、一ノ瀬が3勝を挙げており、20歳頃からツアーで長年活躍。服部は18年、一ノ瀬は19年にシード権を喪失し、30歳前後で環境が変わった。「ツアーは若手が活躍し、30代は難しい時期」と話す服部は、今季8試合に出場して予選通過は1試合のみと苦しい戦いが続いている。
一方、一ノ瀬は19年にツアーから退き、男子プロの谷口拓也と結婚。20年10月には長女を出産したが、昨年からツアー復帰を果たし、今季は3試合に出場して「リシャール・ミルヨネックスレディス」では3年ぶりに予選通過をして20位タイに入った。現在は育児とゴルフを両立するママさんゴルファーである。
「女性は30代になると体が変わってきますし、長年ゴルフをやってきているので精神的にもきつい時期です。いろいろな立場でゴルフと接する年齢でもあります。昔は完璧主義で練習もたくさんやっていましたが、今は育児があるので練習は短気集中。週に何回か、というレベルです。試合に出るとなったら、スコアを作ることを心がけていますが、昔とは違う環境で試合に出ています」と20代の頃とは違ったスタイルでゴルフと向き合っている。
20代のような戦いはできなくなったが、30代以上の試合では息の合ったプレーで大会制覇。「30代にスポットを当てていただき、本当に感謝しかありません。こうして試合に出られるのはうれしいです。これからの自信にもなります」と二人は口を合わせた。昨日行われた「日本女子プロゴルフ選手権」の予選会で服部は2位、一ノ瀬は3位で本戦出場を決めている。「30代でもまだやれる」。ツアーの舞台でも元気なところを見せてもらいたい。
大会発起人の有村智恵は「レジェンズツアーに出られるのは45歳から。30代の選手はまだ時間があります。それまでの間に試合をする環境があるだけでも違うと思いますし、昔のメンバーと一緒に回るのはとても楽しいです。今後はいろいろな場所で、いろいろなやり方を考えてやれればいいと思います」。第一回大会の成功を喜ぶとともに、今後の発展へ期待を込めた。
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