<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 最終日◇21日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>
2015年大会の覇者、岩田寛が2度目の優勝カップを掲げた。6バーディ・1ボギーの「67」でプレーし、トータル19アンダー。21年の「中日クラウンズ」以来のツアー4勝目は、自身初の“逃げ切り”で飾った。
前半だけで4つスコアを伸ばして、11番でもバーディを奪取。だが、14番でこの日初めてのボギーを叩き、最終組で一緒にプレーした大槻智春に1打差まで迫られた。それでもパーを並べ続け、最終18番では、バーディパットを残した大槻よりも先にウィニングパットを決めて、バーディ締め。「しんどかったですね。簡単に勝てることってないなと思いました」という18ホールを、最高の形で締めくくった。
連覇を狙った「中日クラウンズ」で3位、全英オープン出場権がかかっていた「アジアパシフィックダイヤモンドカップ」で2位タイ、そして全米オープン日本予選会のプレーオフで惜敗。今年は悔しい思いをばかりを味わっていただけに、優勝の喜びはひとしおだ。さらに、今大会ではどうしても勝ちたい“ある理由”があった。
小学生のときは野球少年だった岩田。母校の仙台育英高校(宮城県)があす22日(月)、全国高校野球大会(甲子園)で決勝戦を戦う。まずは岩田が優勝トロフィーを掲げ、後輩たちにバトンをつなげたい。大会3日目には、こんな思いも吐露していた。
「(自分が優勝した)記事を見てほしいです。監督でも、誰でもいいので。育英ナインに僕の思いが届いてほしいです」。寡黙な男が、熱く語る。ちなみに岩田が15年大会で優勝したとき、仙台育英高は甲子園準優勝。「勝っちゃダメでしたかね(笑)」と冗談めかしつつ、「今回は僕の思いが届けばいいですね」とエールを送る。
仙台育英高が甲子園で優勝すれば、東北勢初の快挙となる。「勝ったら新たな道ができる。道が見えるっていうことは、下の子たちに良いことなのかなと思います」。10代、20代の若い選手が活躍している国内男子ゴルフ界で、41歳の岩田が“ベテラン”としてその道を示した。
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