<ニトリレディスゴルフトーナメント 事前情報◇23日◇小樽カントリー倶楽部(北海道)◇6655ヤード・パー72>
今季4試合ある北海道戦も、今大会でラスト。ツアー屈指の難コースともいわれる小樽カントリー倶楽部を舞台として行われる4日間大会を制するのは誰か。青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を語る。
■1打も気を抜くことができない戦い
“北海道ゴルフ発祥の地”とも呼ばれる小樽カントリー倶楽部は、過去に男子ツアーも行われていた日本屈指の難コース。グリーン周りは多くのバンカーが囲み、池が絡んでくる。「1打も気が抜けない72ホールの戦いです」と、マネジメントの重要さがカギとなる。
グリーンは例年ほど速くも硬くなく、比較的止まりやすくなっている。それでも「それ以外は相変わらず難しい」と洋芝、ラフ、細かいアンジュレーションがあるグリーンと、難易度は高いまま。「総合力が高くないと優勝争いに加わることができません」と、大西氏は語る。
■パー4、パー5と交互に入れ替わっていた16番、今年は…
昨年はティイングエリアを2カ所設置し、初日はパー5、2日目はパー4と交互に使い分けていた16番。今年は全日パー4としてセッティングされる。
これにより、難易度はさらに増す。その距離はなんと420ヤード。ドライバーでのティショットがフェアウェイを捉えたとしても、2打目はフェアウェイウッドやユーティリティを強いられ、グリーン右手前には大きな池が待ち構えている。
そして2オンに成功する“第一関門”をクリアしたとしても、次に待ち受けるのは右から左に大きく傾斜するグリーン。傾斜を読み切る“第二関門”を突破してバーディ奪取、なんてことはなかなか手にすることはできなさそうだ。
「パーを獲れたら“よっしゃ!”、ボギーでも“しょうがない”というようなホールです。パッティングを決めきるのも難しいです。パーオン出来たら最高。乗れば良い、というのをあらかじめ頭に入れておくことが重要ですね」
■ベテランならではの経験が武器に
そんな難コースには総合力が必須。直近の大会では“ルーキー”の活躍が目立つが、「コースを回る数が多ければ多いほど、攻略法が見えてくる。経験がモノをいうコースだと思います」と“ベテラン”の技にスポットを当てた。そんななか、最注目選手として有村智恵と上田桃子のふたりを挙げた。
「ショットメーカーのふたりです。球の高さ、左右の曲げ幅、ドローとフェードの打ち分けなど、球を操ることができます。小樽は風が吹くコース。この引き出しは、風が吹くとよりアドバンテージになります」
どのようなマネジメントをすれば良いのかを知り尽くし、そのイメージ通りの球を打つことができる実力さを兼ね備えている“ベテラン”。パッティングについても「最近の様子を見ていても、重いコロがりになっています。コロがりが良ければ、カップインする確率も自然と高くなってきますね」と太鼓判を押した。
■一方で、3週連続Vかかる“ルーキー”にも…
「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」でツアー初優勝、そして「CAT Ladies」で2週連続優勝と、勢いよく北海道に乗り込んできた岩井千怜。昨年6月のプロテストに合格したばかりのルーキーで、先述を踏まえると経験値が…と気になるところだが、上位フィニッシュにも期待が持てると大西氏は言う。
「まさに五感が研ぎ澄まされている状態です。この良い状態や良い流れは、岩井さんのほうに“コースが寄ってきてくれる”でしょう。ありのままの自然体でプレーできれば、可能性は十分」と、史上3人目の3週連続Vにも期待を込めた。
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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