ボールの後方に立ち、片目を閉じてシャフト越しにターゲットを確認――。原英莉花をはじめとして、ショット前のルーティンとしてこの動作を取り入れる女子プロをよく見かける。どんな意味があるのだろうか? 25日発売のゴルフ雑誌ALBA851号の特集『女子プロルーティン大研究』では、女子プロのコーチも務める石井忍に理由を聞いている。
「ナイスショットをするには、正しいスタンス向きでアドレスすることが大切です。実はプロでもスタンスの向きがズレることはよくあります。このズレを防ぐために、女子プロたちはさまざまな動作をルーティンに取り入れているのです。その1つが、ボール後方からシャフト越しにターゲットを確認する仕草です」
ボール後方に立ち、シャフトに沿った真っすぐなラインを想像する。そのラインをイメージしたまま、アドレスに入ることで、正しいスタンス向きで構えやすくなる。
「ターゲットとシャフトを重ね合わせる際に、シャフトに沿った真っすぐなラインを、片目で見るほうが視界が狭くなって、より空間にイメージしやすくなります。どちらの目で行うのかは、その人の利き目によって異なると思います」
原英莉花や新垣比菜は右目、小祝さくらは左目で目標を見ている。利き目を確かめるには、手で輪っかを作り、その空間を通して両目で目標を見た後、片目をつぶってみるといい。目標が動かないほうが利き目となる。
一方、スタンスをとった際に肩を触っている女子プロもいるが、これもスクエアに構えるためのルーティンだという。
「アドレス位置に入ってから肩に触れながらアドレスすると、肩のラインがスクエアになりやすくなります。肩に触れるだけでスクエアを感じにくい人は、肩に触れた前腕に沿ったラインをイメージするといいですよ。前腕は視界に入るので、よりスクエアを作りやすくなるはずです」
アマチュアは目標よりも右を向く癖があるのは、肩のラインを目標に向けようとするため。肩のラインはボールと目標を結んだラインと平行でなくてはならない。だから右打ちの場合は、肩のラインが目標よりも左を指すのが正しい。打つ前に出球の方向は決まっている。女子プロのようにルーティンを工夫することで、ショットの精度は高くなるのだ。
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