<マルハンカップ 太平洋クラブシニア 1日目◇27日◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡県)◇7020ヤード・パー72> 昨年の「日本プロシニア選手権」でシニア初優勝を遂げた立山光広が、6バーディ・1ダブルボギーの「68」をマークして首位タイで滑り出した。 今大会の開催コースは、レギュラーツアーの「三井住友VISA太平洋マスターズ」でお馴染みの太平洋クラブ御殿場コース。立山にとって記憶に残る舞台である。2005年の同大会で立山は、当時世界ランキング20位の招待選手、ダレン・クラーク(北アイルランド)と優勝争いを繰り広げた。 最終日17番を終えて首位のクラークと1打差。18番パー5のピン位置は、グリーンの奥。2オンを狙った立山のボールは、グリーン奥にこぼれて左足下がりのライに止まった。難しいライからサンドウェッジで低く打ち出してスピンのかかるボールを打って、もう少しでチップインイーグル。結果的にバーディで2位に終わったが、最後まで世界ランカーを追い詰め、妙技を見せて大会を盛り上げた。 熱い1戦から17年が経ったが、立山の記憶には1打1打が鮮明に残っている。「いろんなことを思い出しちゃうの」。いい思い出、苦い思い出が脳裏に浮かぶ。それだけコースを熟知しているといっていい。 この日の18番パー5は、2段グリーンの上にピンが切られた。2オンを狙ったボールは、グリーン上で転がりカップをかすめて奥へこぼれ、左足下がりのライに止まった。「俺のボールはあそこにしかいかないのかって思ったし(笑)」。17年前の再来かと思われたたが「根性がなかった」と“安全”にパターで3.5メートルに乗せ、きっちり沈めてバーディ締め。 17年前のリベンジをすべく首位タイで最終日を迎える。「シニア2勝目? そんな大きなことはいえません。明日はこっそり、トップ10を目指します」。惜敗の地を歓喜の場所に変えたいところだ。(文・小高拓) <ゴルフ情報ALBA.Net>