<アルペングループ創業50周年記念大会 ゴルフ5レディス 初日◇2日◇ゴルフ5カントリー オークビレッヂ(千葉県)◇6465ヤード・パー72>
北海道から、まだ蒸し暑さがしっかりと残る千葉県に会場を移し行われる3日間大会。毎年コースを変えて行われるサーキットトーナメントを制するのは一体誰になるのか? 青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める大西翔太氏が展望を語る。
■ピンデッドを狙う能力が問われる戦いに
今年は千葉県のゴルフ5カントリー オークビレッヂが舞台。2017年以来5年ぶりに使用されるコースだが、前回の結果を見ると、優勝がO・サタヤ(タイ)、2位に下川めぐみ、3位が笠りつ子、キム・ハヌル(韓国)とショットメーカーの名前が続いている。
その理由を大西氏は、コースの傾斜に求める。「グリーンのアンジュレーションが強く、ピンと同じ面に乗せることが重要になります。さらにここぞでピンデッドを狙わないと上位にはいけません」。グリーンを狙う緻密なショット力。そこが勝負を大きく分ける。
またフェアウェイも強い傾斜が目立ち、それが選手を苦しめることになりそう。いいショットを打ってもキックの具合で長めにセッティングされたラフへ行ったり、フェアウェイに残っても左足上がり、つま先上がりなどの状況を次々とクリアしていく必要がでてくる。「傾斜に対応しながらピンを狙うショット能力はマストです。打つ前の準備や、ショット時の創意工夫、そういった目に見えない部分も大事になってきます」。
■ショット力の高さはいわずもがな…この人が本命
こう説明した後、優勝候補の筆頭に挙げたのが稲見萌寧だ。先週の「ニトリレディス」で連覇を成し遂げ、いい状態のまま練習拠点を置く千葉に戻ってきた。本人も「アドレスを意識したり基礎的なことが大事になる」と、傾斜への警戒心は口にしていた部分だ。
大西氏は「ショット能力が高く、修正もいい方向に出ていますよね」と、いの一番でその名前を出す。アイアンが生命線というのは今さら言うまでもなく、大会前のパーオン率は75.4986%で“指定席”の1位に座る。ドライバーとアイアンの総合的なうまさをあらわすボールストライキングも現在1位。大西氏が「2週連続優勝する可能性は大いにあるでしょうね」と推すのもうなずける数値だ。
またコースが違うとはいえ、大会連覇がかかる吉田優利にも期待する。「ディフェンディングチャンピオンとして気持ちも入っているはず。パター、アプローチもいい状態で、ピンをデッドに狙うショット力もあります」。今季トップ10に10度入り、直近10試合で2位が2度と安定感もバツグン。連覇で今季初優勝を達成しても不思議ではない存在とみている。
■予選落ちで一休み…息を吹き返しそう!
もう一人、岩井千怜をピックアップ。先月の「NEC軽井沢72ゴルフ」でツアー初優勝をつかみとると、翌週の「CAT Ladies」で2週連続優勝を成し遂げた。ただ、先週のニトリレディスは2日間で12オーバーと思わぬ乱調。予選落ちを喫した。
ただ、これが激戦の疲れを抜くためにいい方向に働くと大西氏は見る。「先週末はひさしぶりに自分の時間をとれたはず。自分のペース、リズムでまたここからやってくれるでしょう。アイアンをビシッとピンの根元にさす能力も高い選手です」。まさにこのコース向きともいえるプレースタイルだ。ここから再び旋風を巻き起こすか?
解説・大西翔太(おおにし・しょうた)/1992年6月20日生まれ。名門・水城高校ゴルフ部出身。2015年より青木瀬令奈のキャディ兼コーチを務める。16年にはキャディを務める傍らPGAティーチングプロ会員の資格を取得した。ゴルフをメジャースポーツにと日夜情熱を燃やしている。21年には澁澤莉絵留ともコーチ契約を結んだ。プロゴルファーの大西葵は実の妹。YouTube『大西翔太GOLF TV』も好評で、著書『軽く振ってきれいに飛ばす!! 飛距離アップの正解』が発売中。
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