<ポートランドクラシック 初日◇15日◇コロンビア・エッジウォーターCC(米オレゴン州)◇6467ヤード・パー72>
「内容は、いろいろと思うことはあるけど、ボギーなく回ることが久々ですし、これだけアンダーで回れたのはすごくうれしい」。渋野日向子はラウンド後、一日を振り返り、こう感想を口にした。5バーディに加え、ボギーフリー。「67」でリーダーボード上では上位につけたが、その“いろいろと思うこと”が胸にひっかかっているのか、満面の笑みとはいかない。
つかえているものの正体は、先週からの課題として持ち込み、「今週の目標」にも掲げていた部分。「自分の距離をしっかりつかむことや、抑え目のショットで引っかけないとか単純なこと」がそれにあたる。大きなミスにはつながらなかったが、それも“結果論”と言わんばかり。「そういったところが出てる分、う〜んという感じ」と、コースでも何度か首をかしげる姿を見せていた。
例えば12番パー5でバーディを先行させ迎えた13番パー3。ここはユーティリティで放ったティショットを、ピンサイドの左奥ラフに外したホールだ。結果的には左足下がりの深いラフから、見事なアプローチを直接決めてバーディを奪ったのだが、「あそこはラッキー。一番外してはいけないところに、外してモヤモヤしながらでした」と、やはり“結果オーライ”という認識が先にくる。むしろ「広く使って、右に乗っけようと思っていたけど、引っかけてしまった」というティショットの方を問題視する。
今週は月曜日に参加したプロアマでの18ホールから、開幕までの3日間で計45ホールをこなし、その後には連日の特打ちを敢行するなど、課題をつぶすために多くの練習時間を割いた。それをプレーに反映しきれなかったことを、再び明日以降の課題とする。
そのなかで「よくパターが入ってくれた」という部分は、見る者だけでなく、本人も共通して感じられた部分だった。グリーン手前からの3打目アプローチを3メートルオーバーさせた18番パー4から、1番の2メートル、2番の2.5メートルとしびれるパーパットを立て続けに決めた。流れが切れてもおかしくない状況を、そのパターで食い止めた。「ほぼ全部入ったと言っても過言ではないくらい、耐えてくれました」。ここも笑顔での回答とはいかなかった。
5アンダーという結果にも、自らに下した点数は「50点」と辛口。「調子も悪くなかったけど…、半分で。パットの距離感もまだまだだし、2メートル以内が入ってくれたけど、もっと楽にパーを獲りたい」。プレーの納得度合いを、スコアが大きく上回ったという印象が、“モヤモヤ”につながる。
ただパッティングも“課題の一つ”だったことを考えると、2戦連続予選落ちという悔しい結果からは歩みを進めているとも言える。「内容的にもっと伸ばせるところはある。練習して頑張ります」。ラウンドを終えると、すぐに練習場に足を運びクラブを振り始めた。心からうなずけるプレーが明日できることを信じて、黙々と“誤差”を埋める作業に向き合っていく。(文・間宮輝憲)
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