<ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日◇25日◇利府ゴルフ倶楽部(宮城県)◇6491ヤード・パー72>
2位に8打差をつけて終えた2日目のラウンド後、山下美夢有は練習グリーンで淡々とボールを転がした。4〜5メートルの距離を3球打つと別のラインに移動。円を描くように回りながら、これを繰り返した。
よくある練習法のように思えるがリズムが違う。ラインを読むこともほとんどなく、カップに入る、入らないを一喜一憂するでもなく、ストロークを見直すでもない。カップインしようとしまいと、次のラインへと場所を移していく。
この練習の意図について山下は「本当にタッチ次第。ラインさえ合えば入ると思うので、グリーンのタッチの練習だけをしていました」と説明する。今週キャディを務めた福井良太氏がさらに補足してくれた。
「30センチオーバーさせるタッチですね。あと転がりについては、打ってすぐ曲がる球はダメで、3メートルほど直進してそこから切れる球を打つように伝えました。本当にラインは読めていたので、タッチだけでした」
加えて、そのライン読みは「一本厚いと思うので、その辺りも話しました」と微調整。そうしてタッチを調整した結果、「ラインが見えるというか、イメージできていた」と山下が言い切った初日に国内ツアー記録となる『60』をマーク。最終日は6番で2メートル、7番で3メートルのしびれるパーパットを沈めて流れを切らさず。タッチ、転がりを意識したことが、ホステス優勝へとつながった。
もちろん、“淡々”とリズムよく打つことも忘れてはならない。「(これまでの)最終日はいつものプレーと違っていた。悩みすぎているというか、プレーが遅くなっていました。私は淡々とプレーするほうだと思うのですが、それが優勝争いになるとできていなかった」と優勝会見で振り返ったように、最近は勝負どころで持ち前の小気味良さを失っていた。自分のリズムを忘れない。そんな意味も込められた、最終日に向けた練習だった。(文・秋田義和)
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