<ヒルトン・グランド・バケーションズ・トーナメント・オブ・チャンピオンズ 3日目◇21日◇レイクノナG&CC(フロリダ州)◇6608ヤード・パー72>ガマンが続いた前半から一転、後半は面白いようにショットがピンに絡み、そしてパットが決まる。米国の拠点にしているホームコースでムービングデーを迎えた畑岡奈紗が、7バーディ・1ボギーの「66」をマーク。優勝を争うメンバーの一人に残った。
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怒涛の猛チャージは、「ピンチが続いて微妙な距離のパーパットもあったけど、あのバーディでうまく切り替えられた」と振り返る9番から始まった。前半最後のパー5で3メートルを沈めると、それまでのガマンの展開がガラリ。11番、さらに13番からの4連続バーディで一気にスコアを伸ばした。DJブースが設置され、爆音で盛り上がる最終18番でも、4メートルのスライスラインを冷静に読み切りバーディ締め。後半「30」で、独走態勢を築いていたブルック・ヘンダーソン(カナダ)に迫った。「木、金(曜日)と後半にスコアを伸ばせていなかった。中盤でバーディが連続したのはすごく大きいですね」。4連続についてはこう振り返る。そして序盤には、ここにつながるワンプレーがあった。4番パー3の2打目だ。3番でアプローチが寄らず入らずのボギーを叩くと、その直後のティショットもグリーン右に外れた。落ちた場所は傾斜下のラフ。グリーンに乗せるには、土手を越える必要がある。さらにライは少し浮いた状態。「(クラブがボールの)下をくぐってグリーンに届かないことを警戒していた」というなか、54度のウェッジで放った一打はカップにピタリと寄り、お先のパーを拾った。「うまく打てました。2連続ボギーは流れ的にも難しくなる。あのパーは大きかったと思います」。こうしたガマンを積み重ねた結果が、後半のラッシュだった。プロ1人と招待されたセレブ2人で回る大会の前には、「雰囲気を楽しみたい」と話していたが、その言葉通り過ごせている。3日目はメジャーリーグで通算200勝を挙げた左腕のジョン・レスター氏と、NFLのミネソタ・バイキングスでプレーするアダム・シーレンとの同組。「ジョンはレッドソックスで松坂大輔さんとチームメートだった話とか、アダムもフロリダなのでタイミングが合えば一緒にゴルフをしましょうと話しました」。他競技のスーパースターとの競演を楽しみ、リラックス。「(キャディの)グレッグが一番興奮してました(笑)」という明るい笑顔も順調さを伝える。この日の猛追により、トータル14アンダーで首位に立つブルックと3打差の2位タイで最終日に入る。1つのバーディ、1つのボギーで大きく展開が変わる僅差だ。アイアンは好調。あとはスイング改造中ということもあり、「まだ右に抜けるところがある」と話すティショットが課題。ここをできる限り修正し明日、開幕戦優勝を狙っていく。「とにかく多くチャンスにつけて、いかにそれを決められるか」。大会の冠スポンサーにもなっているヒルトン・グランド・バケーションズのアンバサダーを務めるホステスプロが、“地元”で最高のフィナーレを迎えることを期待したい。(文・間宮輝憲)
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