<日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 最終日◇10日◇安比高原ゴルフクラブ(6,640ヤード・パー71)>
38歳のベテランはやはり強かった。「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」の最終日、首位タイから出たイ・チヒ(韓国)は終盤でイ・ミニョン(韓国)に追いつかれるも、もう一度突き放しツアー22勝目、メジャーでは2勝目となる勝利を飾った。
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最終組で出たチヒは、出だしの1番でボギーとつまずいたが4番、6番とバーディを奪いスコアを伸ばしてハーフターン。ここからが百戦錬磨の老練者の真骨頂だった。
まずは、10番でボギーを叩くも11番でバウンスバック。12番のボギーも14番ですぐさま取り返すと16番では「ラフのすごいところに入ってしまって。出すだけで精一杯でした」と3オン2パットのボギー。ここでミニョンに並ばれたが、「17番、18番でバーディを獲らないとプレーオフまでもいけない」ともう一度集中しなおすと、まずは17番パー3で2.5メートルにピタリ。バーディを奪う。
もう一度頭1つ抜け出すと、1打差で迎えた最終18番パー5。奥から下りの6メートルのバーディパットを「タッチだけを合わせに行きました。距離感だけを考えて2パットでも大丈夫」と放ったパットはカップに収まりウイニングパットに。先に上がり見守っていたミニョンも「仕方ない」といった表情を浮かべるほどの上り2ホールで接戦に蹴りをつけた。
意外にもチヒはこれが今季初勝利。シーズン序盤はもがいていた。「自分が思ったスイングと実際のスイングにズレがあったりして、もう勝てないかもと思っていました」。良いプレーをしていても突如崩れる。そういった一日、一試合良いプレーが出来ない日々が続き「正直、歳なのかなとも思いました。実力が落ちたのかなって」。38歳と言えばツアーではもう大ベテランの域。21勝を挙げてきた実力者も不安に駆られていた。
それでも諦めずに自分で活路を見出した。「持ち球のドローがフックが強くなってランが出て飛び過ぎたりして同じ番手でも15ヤードくらい距離のばらつきが出てしまったので」と7月から思い切って持ち球をフェードに変更する。
「アイアンの距離感が良くなりましたね。今週は特にインコースにティショットがフェードだと打ちやすいホールが多いです。またグリーンが速い中でもフェードだと止めやすいのもいいですね。このコースはグリーンをオーバーしたらダメなホールが多いですが、フェードでは飛び過ぎることが無くなったため、気持ち良く振れる」と難コース・安比高原ゴルフクラブ攻略に大いに奏功した。
今日の勝利で「まだ私、いけるかな(笑)」と年齢への不安を払拭。「今季はとにかく1勝を挙げることが目標でした。また調子が上がってきたので次の優勝目指して頑張りたい。永久シードまでの30勝は歳ですし遠いですが(笑)、少しでも近づいていけるように頑張っていきたいですね」。未だ6人しか到達していない大台へ、気合いを入れた。
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