<マンシングウェアレディース東海クラシック 2日目◇16日◇新南愛知カントリークラブ美浜コース (6,446ヤード・パー72)>
国内女子ツアー「マンシングウェアレディース」の2日目。一日中雨が降りしきる悪天候の中、大山志保が4バーディ・1ボギーの“69”で回り、トータル7アンダーの首位タイに躍り出た。
「この天気の中では上出来だと思います」と胸を張ったが、首位に並べたことには驚きを隠せなかった。「同じ組で回っていた辻(梨恵)チャンがいいプレーをしていたので、頑張れ! 頑張れ! って思いながら回っていたんです」。
15番パー5を終えた時点では大山が6アンダー、辻が10アンダーだった。台風18号の影響で最終日は中止になると予想していただけに、自分の優勝はないと判断し、ある意味リラックスした精神状態でラウンドしていた。ところが、辻が16番パー3でボギー、18番パー5でダブルボギーを叩く。逆に大山は17番パー4でバーディを奪い、上がってみれば同じ7アンダーだった。
「ここ最近、ショットはいいのにパットが入ってくれないんですよ。どうやって打てばいいのか分からず、自分なりにかなり悩んでいました」
前週終了時でパーオン率は75.2415パーセントで第1位にいた大山。ショットがいいからこそ、パッティングを決めきれないことにイライラが募った。それでもなんとか打開しようと、今週も練習日の水曜日からひたすらパッティンググリーンでボールを転がし続けていたが、どうしても決め手となるヒントを得られないまま初日を迎えていた。
「今日もチャンスを何度か外しましたが、悪天候だったので仕方がないと思えた分、我慢できたのではないでしょうか。入ればラッキーぐらいの気持ちでいたほうが、自分への怒りも収まりますからね」と、メンタル面でパットの不調をカバーした。
ツアー通算17勝を挙げ、06年には賞金女王のタイトルも獲得している大山だが、ゴルフに対するモチベーションは一向に落ちていない。
「毎週毎週といいますか、毎日毎日が勉強ですよね。まだまだできないことだらけで……。でも、だからゴルフは面白いですし、辞められないです。私の場合、ゴルフを追求したい気持ちが人一倍強くて、明日はこれをしよう、もっというと次のホールはこれをしようと考えています」
この日もラウンド中に3、4回スイングを変えたという。その結果、ようやく終盤になってフェアウェイをキープできるようになった。「でも、うまくいかないからこそ、ゴルフは面白いんだと思います」と、飽くなき向上心を見せた大山。プロのアスリートである以上、当たり前の心がけかもしれないが、若手にとってはいいお手本であることは間違いない。
文/山西英希
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