<HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP 2日目◇3日◇PGMゴルフリゾート沖縄(7,005ヤード・パー71)>
49歳の大ベテランが、思い出の地で存在感をみせた。国内男子ツアー「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP」の2日目、10位タイから出た手嶋多一が5バーディ・ノーボギーの“66”をマーク。5つスコアを伸ばし、首位と1打差の単独2位と好位置で大会を折り返した。
この日はパッティングが冴えた。なんとインコースでは、この日10パット。13番と15番では約5メートルのパーパットを入れてピンチをしのぎ、この日はノーボギーのラウンドに。「自分はカッとハードヒットするタイプ。ここの芝には向いているのかも」。芝目の強い沖縄のバミューダ芝のグリーン攻略には、力強いタッチが必要、タップして打つタイプの手嶋には適しているようだ。
手嶋がツアー初優勝を挙げたのは沖縄。1999年の「ファンケル沖縄オープン」は、このPGMゴルフリゾート沖縄と同じ、恩納村にある大京カントリー倶楽部(現・美らオーチャードゴルフ倶楽部)で開催された。そこで奥田靖己とのプレーオフを制して勝利、忘れられない思い出の地だ。
「雰囲気も似てる。いろいろな技が求められるのも一緒だし、グリーン周りは特に頭を使う。疲れるけど楽しいよ(笑)」。多くの選手が苦しんでいる難コースを楽しめるのも、ベテランならではの余裕か。
また、10月の「HONMA TOURWORLD CUP」からバッグにお守りが入っている。それは93年に発売されたミズノの『MS-211』アイアンの1番。このドライビングアイアンを、「家に帰った時にたまたま見つけて」、苦手だったユーティリティの代わりにバッグに入れた。その週は使うことがなく最終日には抜いたが、その日“73”をたたき7位から34位に順位を落としてしまった。
それ以来、「お守りみたいなものかな(笑)。縁起物だよね。昔は地面に叩きつけたこともあるけど」と、1番アイアンがバッグに鎮座。なお、この日は7番(パー4)でティショットに使用したという。
難コースを楽しいと言う余裕と、24年前に発売されたアイアンを“お守り”にしてバッグに入れる茶目っ気。そして長年活躍するコツを問われ、「練習しないこと、ケガをしないこと、目立たないこと(笑)」というトーク力。49歳にしてレギュラーツアーで活躍する実力もすごいが、その個性もやはり唯一無二の存在だ。
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