<伊藤園レディスゴルフトーナメント 事前情報◇9日◇グレートアイランド倶楽部(6,741ヤード・パー72)>
国内女子ツアーも残り3戦。しかし、最終戦のメジャー「リコーカップ」は、今季のツアー優勝者や賞金ランク25位以内など出場するには条件があるため、多くの選手にとっては、今大会と次週の「大王製紙エリエールレディス」でシーズンが終了することになる。来季のシード権を獲得できる賞金ランク50位をめぐる争いが佳境を迎える中、現在同ランク54位の有村智恵と、同ランク65位の原江里菜という実績ある同級生2人に、今の心境を聞いた。
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国内ツアー通算13勝を誇る有村智恵。2013年から昨年まで米国ツアーに挑戦していたため、国内ツアーに本格復帰した今季は、QTランキング17位の資格でここまで28試合に出場。獲得賞金1,884万9,522円は、現在の賞金ランク50位の酒井美紀に約223万円の差をつけられている状況だ。しかし調子を聞いてみると、「どうですかね〜。まだ完璧という状況ではないですけど…。どうにか戦える状況までには作ってこれていると思うので、気持ちで壊さないようにしたい」と、あまり悲壮感は感じられない。
過去にこの大会では2012年に2位に入っているが、その後14年と15年には予選落ち(13年と16年は欠場)。「コース自体もそんなに簡単にゴルフをさせてくれるコースではない。シビアなショットやパットがたくさんあるコース」と、あまり相性が良さそうではないが、「やるべきことをやるしかないので、そこに集中していけたら」と意欲を見せる。
こちらとしては、当面の目標は賞金シード圏内入りだと考えてしまうが、「賞金ランク50位を目指していたら多分ダメだと思うので、やっぱり優勝を目指してやりたい」と話す場面では、2009年に年間5勝を挙げ賞金ランク3位にまで上りつめたプライドを少しのぞかせた。
一方、東北高校時代、有村と同級生だった原。こちらもツアー通算2勝、2013年シーズンから5年連続賞金シード継続中と力も実績もあるプレイヤーだが、今季は31試合中ベスト10フィニッシュが2回と苦しいシーズンを送っている。「状態は悪くないが、結果が良くない」と苦笑いしつつ、「この2試合は結果を残すしかない。スポンサーの方や応援してくださっている方には申し訳ないという気持ちはあるが、私自身はなるようにしかならないと思っている」と、いい意味での開き直りを告白した。
昨年のこの大会では4位タイ。「コースがすごく好きという印象はないが、結果が出るという意味ではいい印象はある。あまり期待せず、“まぁこんなもんかな”と思いつつやろうと思う」と、ここでも自然体を強調。しかし、今年トータル距離が102ヤード伸び、1988年のツアー制度後の公認競技では史上最長の6,741ヤードに生まれ変わったコースには、「きついです。(距離を)伸ばす意味があるのかな…」と思わず愚痴もこぼれた。
7日(火)の誕生日で30歳になった。「何歳までやりたいとか、(何歳で)引退したいとかはない。(30歳は)サラッと通過点だなと思う。ただ体力はどんどん衰えていくので、しっかり身体のケアをして、一日でも長くプレーができたら」。そのためではないが、先週からヨガのプライベートレッスンを始めたという。「自分でなんとなくネットで調べて、そしたらいい先生に出会えて。翌朝の寝起きがすごく気持ちいいんですよ」と、表情を和らげた。
「トップ10に入れたら嬉しい。調子も悪くないし、やればできると思うので」と、今大会での目標を掲げた賞金ランク65位の原。同ランク50位の酒井までの約667万円差をひっくり返すのは容易ではないが、「シードが取れるとか取れないとかは別にしても、少しでもいい結果のイメージで1年を終わりたい」という30歳が、残り2試合での大逆転に挑む。
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