<カシオワールドオープン 最終日◇26日◇Kochi黒潮カントリークラブ(7,315ヤード・パー72)>
ホスト大会の最終日、プレーに対する自信をさらに深めた。安定したショットを武器に3日目で7位タイに浮上した石川遼は、この日も快調なプレーで6バーディ・ノーボギーと連日の“66”をマーク。6つスコアを伸ばし、首位と1打差の2位タイで競技を終えた。
トップと3打差で迎えた上がり3ホール。「17番のティショット、セカンドショットは上位争いをしている充実感と心地よいプレッシャーがありました」。優勝圏内で戦うのは今季初。そんな重圧がかかる中でもスイングは崩れず、ボギーを最後まで叩くことなく戦い切った。
前半は2つ、後半は4つスコアを伸ばした石川。悔いが残るとすれば、アウトコースにおける2つのパー5だ。「セカンドショットをミスしたり、3打目を寄せ切れなかったり。難しいバーディパットを打つ状況を作ってしまった」。優勝スコアはわずか1打差の13アンダー。もしどちらかが獲れていればプレーオフ、2つ獲れていたら―。“たられば”を話せばきりがないが、報道陣の取材を受けている時にそのことを知ると「悔しいですよね」と笑った。
国内ツアーに出場してこれが7試合目。5試合目までは予選落ちが続いたが、先週予選を突破して27位タイ。そして今週が2位タイ。「一歩一歩ゴルフが良くなっている。本来なら1週間で一歩ですが、今週は二歩ぐらい進めた」。結果が伴ってきたことで、自分のプレーに対する自信も深まった。そして、優勝争いに加われる状態に仕上げて、来季に臨むことができる。
フェースターンを抑えた新スイングの完成は道半ば。それでも、4日間通してのパーオン率は81.94%で1位。そして、この日のフェアウェイキープ率は64.29%で11位、ドライビングディスタンスは283.5ヤードで7位と安定感が光った。国内復帰初戦の「日本オープン」では2日間でパーオン率が50%だったのに比べると、かなりの進歩だ。
自分のスイングに足したいものとして、「躍動感」と答えた石川。「もっと地面の力を使って、下半身の力をボールに伝えたい。今は良い形で打てていますが、自分から型にハメようとしている感じです」。これができるようになれば、安定感はそのままに飛距離をさらに伸ばすことができる。自身が理想とするスイングの終着点は、まだ先にあるようだ。
今後1ヶ月間は国内で調整を続け、来年の1〜4月は米国2部のウェブドットコムツアーをメインに戦う予定。それ以降は決まっていないが「日本ツアーも出場したいと思う」と話していた。
優勝はできなかったが、今季初となるトップ3入りは新スイングの戦果として上々。大きな収穫だ。再び米国男子ツアーで戦うことを目指し、さらなる高みを目指す石川。その道筋に光が射してきた。
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