今年も残すところ、あとわずかになった。来たる2018年の米ゴルフ界は見どころ満載になりそうで、今から楽しみでたまらない。
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大きな注目となるのは、まず、タイガー・ウッズの動向だ。今年12月のヒーロー・ワールド・チャレンジで10か月ぶりの試合復帰を果たしたウッズだが、今後は単なる「復帰」だけではなく「復活」できるかどうかに期待が集まっている。
ウッズは数日前、スイングコーチのクリス・コモとの3年超のコンビを解消したばかりだ。「クリスと取り組んできた感性を活かすスイングを、これからは一人でやっていく」と語ったウッズは自信に溢れている様子だ。
コモも「腰への負担を軽減し、効率的にクラブを振るスイングにタイガーと私は取り組んできた。その成果が(ヒーローで披露したように)300ヤードを超える飛距離につながっている。一緒にやってきた日々と、それをやり遂げたタイガーを私はとても誇りに思う」と、ウッズの肉体面、技術面に太鼓判を押している。
そんなウッズが「強いウッズ」として復活する日の到来を2018年はファンもゴルフ業界全体も心待ちにすることだろう。とはいえ、この年末の30日に42歳になるウッズが若い選手たちを押しのけて優勝すること、とりわけメジャー優勝を達成することは、もちろん不可能ではないが、現実的には厳しい。
現実的にメジャータイトルを競い合っていくのは、おそらくは世界五指に数えられるダスティン・ジョンソン、ジョーダン・スピース、ジャスティン・トーマス、ジョン・ラーム、松山英樹といったトッププレーヤーたち。あるいは、かつての世界ナンバー1、ジェイソン・デイやローリー・マキロイらの復活も期待できそうだ。今年、メジャー初制覇を果たしたセルヒオ・ガルシア、ブルックス・ケプカらのさらなる優勝も十分にありえる。
年齢差、実力差、経験差。どの差を見ても逼迫しているからこそ、混戦が予想され、誰が勝ってもおかしくないからこそ、ハラハラドキドキさせられる。
2018年のメジャー4大会に目をやれば、マスターズの舞台であるオーガスタはもちろんのこと、全米オープンの舞台となるシネコックヒルズ、全英オープンが開かれるカーヌスティ、26年ぶりに全米プロの舞台となるベルリブは、いずれも距離が長く、緻密なコースマネジメントが要求されるウルトラC級の難コースばかりで、タフな戦いを切り抜ける強靭な精神力も求められる。
その中で、どんなメジャーチャンピオンが誕生するのか。選手たちがすべての努力、すべての想いを集約し、自身のピークをそこへ持っていこうと目指す、年に4度のビッグイベント。2018年は、その期待度が今まで以上に高まりそうな予感がする。
そして、日本のゴルフファンの最大の期待は、松山のメジャー初制覇に向けられている。昨秋の日本オープン優勝を皮切りに次々に勝利を重ね、今年のフェニックスオープンを制して大会2連覇を達成した松山の快進撃は世界を驚かせた。だが、その勢いを保つことができず、肝心のメジャーシーズンには、むしろ不調に顔を歪めながら突入したことが悔やまれる。
しかし、それでもなお全米オープンでは2位になり、世界選手権シリーズのブリヂストン招待を快勝。続く全米プロでは惜敗に終わったものの、メジャー初優勝にあと一歩まで迫ったことは、松山の自信と実績になり、来たる2018年に必ずつながるはずだ。
ウッズが復活できるかどうか。復活優勝を遂げるかどうか。若き世界のトッププレーヤーたちは、どんな競り合いを見せるのか。日本の松山のメジャー初優勝の夢は叶うのか。
みなさんが見る初夢が現実になるかもしれない。2018年に花開く夢に期待を寄せつつ、良きお正月をお迎えください。
文 舩越園子(在米ゴルフジャーナリスト)
<ゴルフ情報ALBA.Net>