<メイバンク選手権 事前情報◇31日◇サウジャナG&CC(7,186ヤード・パー72)>
2017年11月から5戦連続の予選落ちを喫した石川遼。そこから徐々に調子を上げて11月の「カシオワールドオープン」では優勝争いを繰り広げ、18年開幕戦の「SMBCシンガポールオープン」では、16位タイに終わるも予選ラウンド終了時に首位に立った。
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しかし、翌週の「レオパレス21ミャンマーオープン」では再び予選落ち。ショットの安定性を欠いて4日間戦い抜けず、「ティショットが左に真っすぐ飛んでいった。狙ったラインに行っていないです。ただ、自分でミスだなと思うものも、OBまでには行かずラフでとどまっているのでまだいい。全体的にスイングの底上げは出来てきていると思います」と、スイング改善の取り組みはまだまだ続く状況を示唆した。
一方で、4勝を挙げて史上最年少の国内賞金王に輝いた09年のスタッツを見てみると、フェアウェイキープ率は47.95%の87位と下位でも、平均パット数は1.7235のトップ。09年に勝ち星を挙げた大会を見ても、ドライビングディスタンスと平均パット数は4試合でトップ5入りと、飛ばして攻め、チャンスをものにするプレーが光っていた。
それは17年に国内復帰を果たしてからも変わらず。予選突破を果たした「ダンロップフェニックストーナメント」の平均パット数は大会4日間で8位タイ。シンガポールでは1.5882で1位をたたき出し、フェアウェイキープ率が振るわずとも、勝負どころでのパットと小技でスコアをつくってみせた。
そして、今日から挑む初参戦となる欧亜共催大会「メイバンク選手権」。大会同様、会場となるサウジャナG&CCは石川にとって初体験となる。同コースで行われた昨年大会では、初日に首位に立ったマーク・ウォーレン(スコットランド/フェアウェイキープ率57.1%・91位、平均パット数1.467・2位)をはじめ、平均パット数トップ10のプレーヤーが上位に入った。グリーンに嫌われなければ、優勝争いに食い込む可能性は充分ある。
かつて、華々しいプロデビューを果たした08年。プロ転向会見で「勝つより負ける覚悟のほうが大きい」といい切った。16歳当時、「負けてもすぐ気持ちを切り替えるのではなく、原因を追究するのも必要です。負け続けても1試合もムダにしたくないと思っています」と語ったが、まさに今「米国ツアーに戻って勝つために」もがいている。
米ツアーを一時的に撤退し、国内ツアー専念を決めた今季。スイング改造の試行錯誤を重ねながら、やはり従来の飛ばして攻める“石川遼スタイル”で戦っていく姿を見てみたい。そこから開ける道の先にある栄光を期待するファンは多いはずだ。
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