リランキング制度導入、賞金女王の行方、初優勝しそうな若手…などなど、国内女子ツアーは今年も見どころが盛りだくさん!そこで、森口祐子、小田美岐、村口史子とそれぞれ個性の違う解説者たちに自身の時代と重ねながら?たっぷり解説してもらった。
期待の女子プロたちもいよいよ始動!沖縄から撮れたて写真を公開!
第四回は3人が最も今季期待する選手について。解説陣が特に注目するのは誰だ。
森口祐子:今年はリランキング制度が導入されて、より活性化する年だと思うし、賞金ランキングトップに行く選手もわくわくするけど、私が挙げたいのは比嘉真美子さん。去年の1勝はものすごくうれしかった。
自信を失った選手がギャラリーの後押しがあって、もう一回頑張ろうと思えて。そこにいたる不安と戦いながら、ドライバーを打つとまた不安になり。試合に出るたびに、会場についても車から出るのが怖くなり。そういうものを乗り越えて優勝したので、1回自信をなくしきった人の上位での踏ん張る姿をもう一度見てみたい。応援したいなあと思います。
村口史子:そういう意味では、私は川岸史果さんです。ご存知のとおり、お父さんが怪物と呼ばれたプロゴルファーの良兼さんで、期待されていた。ショット、アプローチで色々悩んでなかなかプロテストも合格できなかった。もう、このままプロになれないかな、と思ったところからの飛躍がすごい。
昨年、海外の試合を目の前で見ていて思ったのは、「プロになった」ということで気持ちもふっきれた部分があったように感じました。彼女にとって昨年1年はとてもいいシーズンだったと思います。ただ、また1年変わることによって、その瞬間リセットされちゃうじゃないですか。賞金ランキング上位に入った人でも、「来年もそこまでいいゴルフができるかわからない」と不安を口にする選手も大勢いる。彼女もいま同じだと思う。そこを乗り越えて、魅力的な飛距離を見せて、今年もスケールの大きいゴルフをしてもらいたいという期待はあります。
そしてもう一人、全体を引っ張っていってくれるのは上田桃子さんだと思うんですよね。彼女には、女子ゴルフ界を牽引してもらいたい、という期待があります。
小田美岐:私も自分が最後「アプローチもパットも動けなくなってプロはやっていけない」と思ったから、余計に傷を負って成績が出ない人に対しての思いが強い。時代に翻弄されたというのか、渡邉彩香さんにもう一度輝いてほしいと思います。
ボミさんが活躍していて、まだ鈴木愛さんが出る前。同じ時期に大きいゴルフをする日本人選手ということで、必要以上に周りが大騒ぎをして、スターに持ち上げてしまった部分も少しあると思う。だからちょっと調子が悪いときに、「どうしたんだ、どうしたんだ」となってしまった。
そうじゃなくて、彼女はまだ荒削りのところがあって、一歩ずついろんな技術を覚えていかなきゃいけないところだった。それが、バーンと上がってしまった。今ものすごくスランプに陥っていると思うんだけど、川岸さんと同様にあの飛距離は魅力だし、大型プレーヤーには間違いないので、ショートゲームをもっと練習して、ショットの精度をもっと上げてもう一度輝いて欲しい。比嘉さんが復活できたから、渡邉さんにも同じようにもう一回優勝して、もっともっと大きい選手になってほしいですね。
次回は【畑岡奈紗の2年目編】をお届け。ご期待ください。
森口 祐子(もりぐち・ゆうこ)/1955年4月13日生まれ、富山県出身。日本女子オープンなど通算41勝を挙げ、国内女子ツアーで6人しかいない永久シード保持者の1人。一男一女の母でもある。現在は解説者としても活躍中。
小田 美岐(おだ・みき)/1959年4月5日生まれ、京都府出身。通算6勝。ティーチングプロフェッショナル資格A級も保持している。現在は解説者として国内女子ツアーだけでなく、米国女子ツアーの解説を努めることも多い。
村口 史子(むらぐち・ふみこ)/1966年8月30日生まれ、東京都出身。ツアー通算7勝。1999年には年間3勝を挙げて賞金女王の座に輝いた。2004年にツアー競技からは引退。以降は雑誌やテレビの解説、レポーターとして活躍している。
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