<パナソニックオープン 2日目◇20日◇茨木カンツリー倶楽部・西コース(7,343ヤード・パー71)>
国内男子ツアーが変わろうとしている。今週の「パナソニックオープン」では、グリーンと観客席を極限まで近づける「ザ・ギャラリーホール」を設置したり、ロープ内の観戦ツアーも開催。選手との写真撮影を実施するなど、大会主催者が行う企画もあれば、先週の「東建ホームメイトカップ」から始まっている「ピンフラッグ販売」のように、ジャパンゴルフツアー選手会主導のものもある。
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ピンフラッグ販売は、海外の大会ではよく見かけるが、日本ではこれまで不思議と行われてこなかった。米ツアー経験もあり、今季から選手会長に就任した石川遼の発案で始まったこの企画。ピンフラッグに選手のサインを集めることができ、スタートとしてはおおむね好調のよう。パナソニックの会場でも、ピンフラッグを持って選手を待ち構える姿が大勢見られた。
ところで、サインをもらうのはどれくらい楽しいのか。我々取材陣は常に選手と話しができるし、長年取材を重ねていると、プロゴルファーというものが身近になりすぎることもあるため、そのありがたみが分からない。それなら、実際にサインをもらってみようと、ピンフラッグを買ってみた。ギャラリーと一緒に列に並び、選手からサインをもらう。すると、これが実に楽しい。ほとんど顔見知りのため、なかには???の表情を浮かべる選手もいたが、サインをもらうという行為だけでなく、それをキッカケに話しができるというメリットもあるのだ。
「隣の人気選手にサインをもらっていたら、ボクにも声がかかってサインをしました。そういうときは自分を売り込むチャンスだと思っています」(若手選手)。初日、首位に立った星野陸也は、ラウンド終了後にまずクラブハウス前でサイン。練習場に行って、その後練習グリーンに向かう際にもサイン。パット練習を終わってからもサイン、と大忙しだったが、「自分に声をかけていただいてありがたいです」と、笑顔で対応していた。
石川がいう「やれることは何でもやっていきたい。批判が出ることもあると思うけど、それはその後改善していけばいいと思っています。まずはトーナメントに来てもらいたい」の理念どおり、選手とギャラリーがより近くなる雰囲気ができつつあると感じる。海外では子どもたちがピンフラッグを持って選手を追いかけるシーンが見られるが、日本のトーナメントでもそんな日が来るのが近いのを感じた。
なお、このピンフラッグの売り上げの一部はチャリティに回るという。1枚2,000円が高いかどうかは人それぞれだろうが、選手とのコミュニケーションツールとして考えれば、こんなに安いものはないのではないか。(文・高桑均)
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