<中日クラウンズ 3日目◇28日◇名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(6,557ヤード・パー70)>
首位と2打差の2位タイから出た秋吉翔太が、この日は後続に2打差をつけて単独首位に立った。「ショットは今週ずっと調子がいいです。今日はパッティングがよかった」と、5〜6メートルのパットを確実に沈めてバーディを奪取。5バーディ・1ボギーの「66」で3日目を終え、自身も「大変なことですね(笑)」という、単独首位に立った。
【関連写真】これが秋吉翔太の“対和合”用のセッティングだ!
「ショットにはもともと自信がある」という秋吉のキャディバッグには、実はウッドがドライバーの1本のみ。「あくまでも和合用です」と、今大会限定のセッティングではあるが、今どきウッド1本のセッティングなど、プロでもなかなか見かけない。理由としては「使う場面がないと思ったから」と、ドライバー、2番アイアン、3番アイアンをティショットで使用している。
もう1つ大きな理由が、自分の性格を理解した上での決断にある。「15番(パー5)はフォローの風なら3番ウッドでギリギリ2オンが狙えるかも知れないけど、自分を制御するため」。15番はツアーのパー5でも難しい部類。本来スコアを伸ばしたいパー5だが、3日目までの平均スコアは5.062とオーバーパー。ティショット、セカンドショットともプレッシャーがかかるこのホールで冒険したくなる自分を抑えるためのウッド1本作戦だった。
ティショットの飛距離と正確性を示すトータルドライビング部門では、昨年ツアー3位。飛んで曲がらない男ならではの判断。そのぶん「パー4を重視したセッティングにしています」と、ティショット用のロングアイアンに加えてウェッジを4本入れている。トータルヤーデージが6,557ヤードでツアー最短のコース特性と自身の性格、プレースタイル、すべてを考えてのウッド1本作戦だ。
レギュラーツアーで首位に立つのは、この日が初。後続に2打差をつけての最終日は、「経験がないので、いいのか悪いのかは正直わかりません。バーディ、ボギーで、1ホールで並ばれるというのだけ分かります(笑)」。うしろに迫るのは、海外メジャー覇者のY・E・ヤン(韓国)や、昨年賞金王の宮里優作ら強豪ばかり。「気持ちを切り替えて、明日がまた一からのスタートだと思って頑張ります」。最後まで自分のスタイルを貫き通せば、初栄冠はグッと近づくはずだ。(文・高桑均)
<ゴルフ情報ALBA.Net>