「ほけんの窓口レディース」で今季3勝目を挙げた鈴木愛。ここまで8試合に出場し、7試合でトップ3(優勝3回、2位2回、3位2回)と圧倒的な成績を残している。獲得賞金額は7131万5000円とかなりの額。そこで年間10勝を挙げた不動裕理、日本ツアー最高獲得賞金額(男女含む)など様々な記録を持つイ・ボミ(韓国)のそれぞれの年とペースを比較してみた。
【写真】激闘を制した鈴木愛はこの笑顔
通算50勝の不動が勝利数の5分の1を稼いだのは2003年。この年は24試合に出場している。8試合を終えた時点では、鈴木と同じく3勝を挙げており、2位が1回、3位が2回となっている。賞金額が今とはかなり違うのであくまで参考程度だが、約4200万となっている。海外メジャー、休養など一概には言えないが、鈴木が今季16試合以上出場する可能性は十分にあり、勝ち星のペースとしては同じと言える。
ボミが伊澤利光を超える日本ツアー最高獲得賞金2億3049万7057円を稼いだのは15年。この年には年間7勝を挙げている。だが、意外にも8試合を経過した時点では、ツアー新記録となる4試合連続2位はあるものの優勝はなし。この時点での獲得賞金は約3655万円だった。だが、この年は11試合目のほけんの窓口レディースで初優勝、その後もコンスタントに賞金を稼ぎ、6月末の「アース・モンダミンカップ」で最速タイとなる1億円を突破した。15試合での突破は11年のアン・ソンジュと並ぶ記録(当時)である。ちなみにこの記録、ソンジュの前は03年の不動(のちに06年の大山志保)の21試合だった。
さらに少ない試合数で1億円を突破したのが16年。この年は世界ランクを上げてリオオリンピック出場を目指し、米ツアーにも多く参戦。前年よりも約1か月遅い8月上旬の「meijiカップ」で1億円の大台に乗せた。出場14試合目での突破は、前年自身が記録した15を1試合上回る記録だった。この年の8試合経過時点を見てみると、優勝は1度のみ。ただし、最低順位は6位と抜群の安定感を誇った。それでも積み上げた賞金は約5171万円。鈴木には及ばない。
ちなみに11年のソンジュは開幕8試合で2勝、賞金額は約5442万円。06年の大山も8試合で2勝を挙げるも賞金額は約4715万円と鈴木を下回る。
ツアー制施行後、最速のペースで獲得賞金額、勝利数(タイ記録)を積み上げている鈴木。今後は今週と来週日本ツアーに出場した後、渡米して「全米女子オープン」に出場。「ニチレイレディス」、昨年優勝した「アース・モンダミンカップ」に出場する。全米女子オープンが今季から6月上旬に移ったため、6月終了時での1億円突破はより厳しくなっているが、これまでのペース(1試合約891万円)なら十分に達成可能だ。
その先の史上最少試合、そして年間最多勝も可能性を残している24歳。今季の活躍から目が離せない。
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