<ミズノオープン 初日◇24日◇ザ・ロイヤルゴルフクラブ(8007ヤード・パー72)>
上位4名に「全英オープン」の出場権が与えられる国内男子ツアー「〜全英への道〜ミズノオープン」。難コースと呼び声の高かった8007ヤードのモンスターコースを前にしても、川村昌弘は、「試合になってみれば短いと思いました」と、意に介さなかった。最終ホールをボギーとして悔しさを見せたが、首位と1打差の3アンダー・4位タイは上々の発進だ。
初日は使用ティグラウンドを変えて7726ヤードとなったが、それでも過去の国内ツアーでは歴代2位の長さ。ところが多くの選手が、「それほど長くは感じなかった」と話す。8007ヤードのインパクトが強すぎるあまり、約300ヤードの短縮で錯覚を起こしてしまうようだ。
といっても、実際に8000ヤード越えを経験しておけば、確かに短く感じるのだろう。ましてやフェアウェイから打てば、なおのこと「短い」とは川村。地面が硬く、ランも出れば、セカンドショットの精度次第ではバーディチャンスも増えるというもの。実は川村、先週は2日間、36ホールの練習ラウンドを敢行。「考えられる1番後ろのティから回りました。『84』と『79』でした(笑)」と、大たたきの練ランを生かすことに成功した。
「パー4でもセカンドショットが1回を除いて全部アイアンでした。ドライバーの飛距離も出ているのだと思います」と、今季国内ツアー出場4試合で、ここまで2度のトップ10をマークし調子は上がっているという。さらに、今週月曜日の「全米オープン日本最終予選」でも苦労の末につかんだものがあった。
1日36ホール、2ラウンドの同予選では、第1ラウンドのスコアによっては棄権する選手も多い。そんななか、川村は「73」と、通過には遠いスコアながら、「何かつかめるものがあると思って」と、棄権をせずに第2ラウンドに出て行った。結果はさらにスコアを落として「78」。「ぶっちぎりのどべ。ブービーとの差を開いただけでした」と笑い飛ばすが、「最後の3ホールで調子が上がらない理由が分かりました」と、収穫があったことを明かす。
「内容は企業秘密です」とけむに巻いたが、今日のスコアを見れば、苦難の36ホールが生きていると見てよさそうだ。ちなみに全米行きは逃してしまったが、今週の結果では全英行きに手が届く。世界を股にかける旅人ゴルファー・川村昌弘。このまま上位キープで、全英への切符を手にできるか!?(文・高桑均)
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