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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】プロアマが持つ意味、ツアーの方向性を考える

プロゴルファーのあり方が根本的に問われる出来事があった。そう。男子の「日本ゴルフツアー選手権」プロアマで、片山晋呉と同組のアマチュアとの間に起きたトラブルだ。

日本ゴルフツアー機構(JGTO)青木功会長名で出されたリリースには「参加された御招待客が、片山晋呉プロの応対に関し不愉快な思いをされ、プレーの続行を断念されるといった事態が生じました」とある。ツアーは、すでに当事者からの聞き取りは済ませたとしながらも、調査委員会を設置して詳細を調べている。
これを契機に、改めて以下の2つの点を考え、今後につなげてみたい。ゴルフ界におけるプロアマが持つ意味と、その位置づけについて。そして、女子ツアーでのプロアマの現状についてだ。
男女を問わず、日本のツアーの現状を見る限り、プロアマはトーナメントを支える生命線となっているといっても過言ではない。なぜなら、ギャラリー収入に頼る興行としてではなく、スポンサー頼りで行われている試合がほとんどだからだ。ツアー内部の人間も含めて「プロアマが一番大事」と口にする者が多いのもそのためだ。男子よりも女子ツアーでよりその傾向が強い。ツアーのスポンサーをしてプロアマを行い、そこで接待をすることと、試合そのもの重要性がさして変わらないという意識のスポンサーもいるほどだ。
それほど重要視されているプロアマで、プロはホステス(ホスト)として客をもてなすのが仕事。客であるアマチュアは、主催者のみならず、大会にお金を出しているスポンサーの場合もあれば、スポンサーのお客さんのこともある。後者の場合は、スポンサーの接待役をプロが請け負っているといい換えてもいい。もてなしの内容には、自分の技術を見せること、アマチュアにレッスンをすること、トッププロとのプレーそのものを楽しんでもらうことなどが含まれる。接待だからプロ側が望む内容ではなく、お客さん側のニーズにある程度応えなくてはならない。
ただ、プロアマは試合の前日に開催コースで行われる場合がほとんどであって、試合に備えてショートゲームの練習などをしたいというプロの気持ちもわからなくはない。だが、それはあくまで“仕事”の合間に、お客さんが好意で許してくれていることだという自覚が必要だ。事前に相手にその旨を伝え、練習を見てもらい、それについて解説するなどのコミュニケーションがあれば、トラブルには至らない。万一、相手がそれを嫌がるなら“仕事”を優先させるしかない。
さて、女子ツアーの現状はどうだろうか。早い時期からプロアマの重要性を説き、選手たちに徹底的にそれを教育してきたという意識が強い。確かに、男子以上に女子プロがホステス役を務めるプロアマはニーズが高く、そこでのもてなしが試合の存続にかかる度合いも大きい。男子よりは、態度も悪くないように見える。
しかし、男子同様プロアマの合間に練習をしている光景はごく普通に見られるし、選手によっては不愛想だという話も聞こえてくる。ツアー全体に危機感があったときはいいが、ここ数年は年間通じてほぼ毎週、試合があるため、男子のような危機感はない。「試合があって当たり前」の状況が油断を生んでいてもおかしくない。
また、ツアーが管轄しない試合とは別のプロアマが主たる収入源であるプロも女子の方がはるかに多く、そこで悪評を高めてしまっているプロもいる。「態度が悪い」「アマチュアの相手をせず、スマホばかり見ている」「“おつき”のマネージャーやメーカー担当者とばかり話し、アマチュアとコミュニケーションをとらない」など。スポンサー側からもういらない、といわれてしまう者もいるのだ。ツアーそのものとは関係なくとも、女子プロ全体の評価につながりかねない由々しき事態が起き始めて久しい。
現在のツアーにおけるプロアマの重要性、女子での実態についてわかったところで、次のステップに進みたい。今回の事件をプロアマも含めたツアーのあり方を根本的に考えるきっかけにする、ということだ。
第一にすべきことは、プロアマ依存=スポンサー依存のツアーのあり方を改める方向性を見出すこと。プロスポーツにおいて、最も大切なのは、1人1人は小さいけれど大切なファンという名の小さなスポンサーだ。これをきちんと大切にし、試合を見てもらうことを収入につなげる。つまり、興行性を上げていくこと。企業スポンサーへの依存は、相手の状況が変われば簡単に放り出される。試合がなくなることにつながりやすい。だが、ファンという名の草の根のスポンサーはコツコツと応援してくれる上、子供や仲間という新たなスポンサーを連れて来てくれるのだ。日本のトーナメントは、個々をきちんと育ててこなかった。今からでも遅くはない。男女ともにコツコツと興行性を上げることを考えるべきだ。そうすればプロアマへの依存度は低くなる。
スポンサー依存度の高い現状でするべきことは、プロアマの重要性を徹底的に選手に教え込むこと。プロアマでの失態は、スポンサーを手放すことにもなりかねず、ツアーへの大きな損害行為につながるからだ。「賞金で稼ぐからプロアマなんてどうでもいい」と思っているとしたらそれは大きな間違いだ。賞金を稼ぐ場である試合そのものがなくなってしまうかもしれないということを選手たちにたたき込む。それが甘いのではないか。
男女どちらのツアーでも、根本的にこれが伝わらないのには理由がある。プロゴルファーとしてプレーしていた者が、ツアーを取り仕切っているからだ。現役時代、その重要性を理解していたとは思えない行動を取っていた先輩たちがいたことを後輩たちは知っている。現役選手たちの心の中には「エラそうなこといってるけど、自分のときはもっとひどかったって聞いてるよ」という気持ちがある。特に男子にその傾向が強い。今の状態でこれを払しょくするには、青木会長自身がきれいごとをいうのではなく「自分のころは確かに悪かった。今では反省している。時代も変わり、そんなことでは試合ができない。だから、どうやって試合が行えているのかを理解して行動して欲しい」と、選手たちに向かっていうこと。これしかないだろう。
男子に比べて若い選手が多い女子ツアーでは、試合がないという状態がイメージできない選手も多い。試合がないというのはどういうことかをまず理解させ、自分の仕事は何かを植え付けること。これが大切だ。小林浩美会長の現役時代にスポンサーに対して態度が悪かったと言う話は聞いたことがないが、他の先輩プロには決してほめられた態度ではない者もいた。そんな話もしながら、決してマネしないよう後輩たちにいい聞かせること。もっといえば、男女両ツアーともトップがプロゴルファー以外になる必要もある。
今回の「片山晋呉プロアマ事件」は、想像以上に根が深い。ただ、片山一人を責めたり、処分して済む問題ではない。男女両ツアーが長い目で根本的なあり方を考える。対処療法ではなく、行動することが必要だ。(文・小川淳子)
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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