<全米オープン 事前情報◇13日◇シネコック・ヒルズGC(7,440ヤード・パー70)>
あの男が「全米オープン」の舞台に帰ってくる。2015年大会以来3年ぶりの出場となるタイガー・ウッズ(米国)は、開幕を目前に控え、今年の開催地となるシネコック・ヒルズGCで順調に調整を続けている。00年、02年、そして08年と3度の優勝を誇るタイガーは、“復帰戦”でどんなプレーを見せてくれるのか? ここまでの経緯を振り返る。
膝や腰、背中の故障を理由に2015年8月末の「ウィンダム選手権」を最後に戦列から一時離れていたタイガー。1年5カ月ぶりに2017年「ファーマーズインシュランスオープン」でツアーに復帰するも、再び腰の手術のため、その後復帰まで1年間の時間を費やした。この2年半以上の歳月で、世界ランキングも899位まで低下。誰もが“全盛期のタイガーの姿はもう見られない”と思っていたに違いない。
そのタイガーが、昨年末、自身がホストを務めるツアー外競技「ヒーローワールドチャレンジ」で復帰。そして、今年1月の米国男子ツアー「ファーマーズ・インシュランス・オープン」で、再び戦いの舞台へと戻ってきた。
その復帰戦は試運転の様相ながら、4日間、オーバーパーを打たずにまとめ、トータル3アンダーの23位タイ。「とても満足している」と語った言葉の裏には、痛みに悩まされず、世界の舞台に戻ってきた充実感がにじみ出ていた。
そして、3月の「バルスパー選手権」では、初日から順位を着実に上げ、最終日は優勝争いを演じた。結果は1打差の2位タイで復活優勝とはならなかったものの、勝利の可能性を感じさせたことは、誰の目にも明らかだった。
今年4月の「マスターズ」を32位タイで終え、この全米オープンへと乗り込んでくる。折しもメジャーでの最後の優勝は08年の全米オープンであるだけに、13年「WGC-ブリヂストン招待」以来の優勝に期待してしまうのは世界中のファンも同じ思い。そういうドラマを幾度も作り上げてきただけに、今年のタイガーからは目が離せない。
開幕前には、「ここに戻ってこられるとは思っていなかった」と、これまでの苦悩の日々を振り返った。「私にとって、そしてキャリアの中でもこれほど意味のある大会はない」と意気込む舞台で完全復活を果たすことを、多くの人々が待ち望んでいる。
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