<ニチレイレディス最終日◇17日◇袖ヶ浦カンツリークラブ・新袖コース (6,548ヤード・パー72)>
17番パー3を迎えたときは、首位につけていたテレサ・ルー(台湾)に対し、2打リードを奪われていた鈴木愛。「ピン狙いでバーディを取れればいいな」と思い、5番ユーティリティで打ったボールはピンそば1メートルに。これをしっかり沈めると、テレサが3パットのボギーを叩く。この時点で首位に並び、最終18番パー5ではともに2オンに成功したものの、イーグルパットを決めることができず、通算9アンダーでフィニッシュ。1組後の申ジエも9アンダーで上がり、日・台・韓によるプレーオフに突入した。
表彰式での鈴木愛はとびきりの笑顔!ニチレイレディスLIVEPHOTO
1ホール目で昨年の優勝者であるテレサが脱落し、2ホール目は一昨年まで大会3連覇を飾っていたジエとの一騎打ちとなる。
「ギャラリーは日本選手に勝ってほしいと思っているだろうし、私が負けたときに残念がる声は聞きたくない」と、自らを鼓舞した鈴木。しかし、彼女にとってプレーオフは過去1勝4敗と鬼門だった。負けたらどうしようという気持ちが先行していたからだが、今回は”負けても2位か3位なんだから思い切っていこう”とプラスに考えた。
それが功を奏したのか、2ホール目では緊張することなく、自分のプレーに集中でき、パーでホールアウト。ダブルボギーだったジエを下し、今季4勝目を飾ることができた。
「自分の実力からいって、年間3勝できればいいのに、こんなにハイペースで勝てるとは思ってもいませんでした。後半戦でもあと2勝ぐらいはしたいですね」
「ANAインスピレーション(76位)」出場後の「スタジオアリス女子オープン」、「全米女子オープン(予選落ち)」出場後の今大会と、メジャーでの苦い思い出を糧にして優勝を飾ってきた鈴木。次の海外メジャーは「全英リコー女子オープン」だが、今度こそ結果を残したい気持ちが強いという。そのために試行錯誤の毎日を送っているが、確実に手ごたえをつかんでいることも確かだ。
まずは、大会2連覇と2週連続優勝がかかる来週の「アース・モンダミンカップ」を制してツアー10勝目の節目を飾りたい。(文・山西英希)
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