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メジャー覇者・市原弘大　7月の全英オープンを見据え臨戦態勢

＜ダンロップ・スリクソン福島オープン　事前情報◇20日◇グランディ那須白河ゴルフクラブ（6,961ヤード・パー72）＞
21日（木）に開幕する「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。会場となるグランディ那須白河GCは、この日はあいにくの雨に包まれた。そんな中、前戦の「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」を制した市原弘大はハーフを回るなど最終調整を進めた。
【写真】谷口徹に祝福のシャワーを浴びる市原弘大
19日（火）に18ホール、さらに開幕前日となる今日も9ホールをラウンド。その後は強い雨が降る練習場で精力的にクラブを振った。晴天時、雨天時の戦い方の違いもしっかりと確認し、いざ本番を迎える。ツアー初優勝をメジャー制覇という形で成し遂げた市原は、その後の2週間を「あまり練習ができなかった」と振り返る。
優勝当日から祝福のメッセージが鳴りやまず、翌朝目が覚めた時には「400件くらいは来ていた」という。律儀な市原らしく、その1件、1件に返信。しかし、その間にも次々と新たなメッセージが届くという状態となった。「その後は、もう何件来たのか把握できていません」という祝福の嵐に加え、お世話になった人々へのお礼状の作成や取材対応など、オープンウィークは目まぐるしく過ぎていった。
そんな状況もあって、「福島に入ってから、本格的に練習を再開したという感じです」と、急ピッチで臨戦態勢を整えた。「構えなど基礎的なところを意識して練習しました。風でも影響を受けないプレーをイメージしながらやっています」という市原。ここには、この先に控えるビッグトーナメントへの意識もうかがえる。それが、国内賞金ランキング2位の資格（6月3日時点）で出場が決まった、 7月19日から行われる「全英オープン」だ。
2年ぶり3度目の出場となる大舞台。そこに照準を絞り、今後は調整を重ねていく。「初出場の時は観光気分。2回目は予選通過をしたいと思って（通過）できた。今回は3度目ということもあって、これまでよりも落ち着いてできるかなと思います」。全英オープンでの目標は？ という問いかけには、「普段のトーナメントも具体的な目標は立てるタイプではない。風や天候の影響もあるし、コース（スコットランドのカーヌスティGL）も難しい。一打一打集中してやるだけです」と、ワンプレーを大事にしラウンドするつもりだ。
これまでの全英の成績は2012年が予選落ち、16年が79位タイ。今回は「海外の世界ランクが高い選手とも、国内のツアーなどでも回る機会が多くなったので、舞い上がることはない」と、さらなる飛躍を目指す。
予選落ちを喫した5月の「日本プロゴルフ選手権」では、尊敬する谷口徹の優勝を見届けるため、練習を切り上げコースに戻り、ともに祝福した市原。ツアー選手権では、逆に谷口から最終ホール終了後に祝福を受ける立場となった。「まさか、この試合に勝てるとは思わなかった」と謙遜したが、次の全英は日本のメジャー王者という肩書で臨む。3度目の戦いをイメージし、一打集中で福島の地でも躍動する。（文・間宮輝憲）
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