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「選手にコースを狙わせる」ため計算され尽くしたコースセッティングの妙 多種多様なショットが東北の地を魅了【ツアーの深層】

優勝した秋吉翔太のスコアがトータル20アンダー。3日目には香妻陣一朗が日本ツアー最多アンダーパータイ記録となる12アンダーをマークするなど、今年もバーディ合戦が繰り広げられた「ダンロップ・スリクソン福島オープン」。ギャラリーからの拍手、そして歓声にコースが包まれる場面が多く見られた4日間だが、この光景を生み出すためには、考え抜かれたセッティングの妙があった。今大会のコースセッティング・アドバイザーを務めた田島創志が語る。
【関連写真】大きくうねるグリーンを攻める石川遼と見守る大ギャラリー

■いいショットを打つことが求められたセッティング

「いいショットを打ったときに、しっかりと結果につながるセッティングをしたい。そう思って今回の舞台を整えました。ギリギリのところでいいショットが報われて、ガッツポーズが出る。そうやって人を魅了することが、プロゴルファーには必要です」

田島は、今回のセッティングの意図をこう語る。会場となったグランディ那須白河GCのグリーンは「かなりうねっている形状」。さらにグリーン上でウェッジを握る選手を見かけるほど、広くて、アンジュレーションもある。そんなコースで田島が選手に求めたのは、「正確なショット力」だった。

「狙えるエリアは狭い。傾斜も計算し、落とすエリアをしっかりと判断することが必要です。ただ、落とすべきところに落とせばOKバーディのような結果が出る。そこを外すと、リカバーに苦労するんですけどね」

この思いが数々の“イマジネーション”にあふれたプレーを生み出す要因にもなった。大きくピンを越えたボールにギャラリーは最初、「あー」とため息を漏らす。しかし、いったん止まったボールが傾斜を転がり、ピンにピタリとつく。ショットの意図を理解したギャラリーは興奮し、選手には大きな拍手が送られる。そんな場面が、確かにこの4日間で多く見られた。

「見ている人は面白かったと思う。傾斜を使ってこんなにピンに寄せられるのかと、改めて驚いたと思う。止まったボールが傾斜を使って動き始めると、みんなの視線がボールに集中するんです。セッティングをしていてたまらない瞬間です」。そして、そんな光景をより多く生み出すために、「選手にターゲットを絞らせる」ようなピンポジションが用意された。

■「50台」が出ることも想定された3日目のセッティング
例えば石川遼は、その傾斜を巧みに利用した1人だ。「アメリカでは、ああいうグリーンが多くて、プレーしていてすごく楽しかった。ピンポジションは決してやさしくはなかったけど、なぜそこに切られているのかという意図が感じられた。面白いセッティングでした」と大会中に語っていた。

「(7月に開催された昨年より)1カ月早まったことで速さ、硬さともに完璧だった」というグリーンコンディションも、“魅せる”ゴルフをさらに際立てた。「(今大会の)コンパクション24、11フィートというのは、傾斜も考慮するとベストな数字。これ以上速いと、カップを切るところがなくなるし、これ以上硬いとフェアウェイから打っても止まらず、見ていてつまらない。しっかり放たれたショットがピンから離れていくようなセッティングはメジャーだけでいいと僕は思う。エリアを狙ったショットが、きっちりとスコアに繋がる大会も人を魅了する」

田島に、3日目に日本タイ記録を打ち立て、こちらも多くの人々を魅了した香妻について聞いたとき、こんな話を聞くことができた。「実は、3日目は『(狙うべき)エリアに打ち続けていたら“50台”も出るかもな』と思いながらセットしました。もちろん、決してやさしい場所にカップを切ったわけではない。エリアを外したら大変。でも香妻選手は、しっかりと攻略していました」と話した。

■一気にコースを難しくした“北西の風”
初日「71.236」、2日目「73.783」、3日目「70.397」、最終日「69.250」。これは、各日の平均ストロークだが、この数字を見て1つ気になることがある。2日目だけ、オーバーパーとなっているのだ。確かに金曜日は、風が吹くなかでのラウンドとなったのだが、田島はただ風が吹いたからスコアが出なかったのではなく、風が“吹く方向”が、コースを難しくしたと話した。

「金曜日は、北西の風が吹いたのですが、実はその方角から風が吹いたときの、このコースは一番難しくなるようにつくられているんです。風が吹いても南風だとバーディが演出される。しかし、北西からだと、一気にタフになる。今回5度目の開催でしたが、北西の風が吹いたのはあの日が初めてでした」

この風は、決してやさしいホールではない15、16番や、バーディを獲らなければいけない18番にアゲインストの風を吹かせる。それが、ガラリとコースのイメージを変える。実はこの2日目の数字は、“意図的”につくり出されたものだと田島は語る。

「2日目に北西の風が吹くことを天気図を見て予想した。それならと、このコースが持っているタフな部分をしっかりと出していくセッティングにしようと決めました。2日目はショット力、マネジメント力といった総合力のある選手がスコアを伸ばした。想定通りでした」

手前が低い二段グリーンになっている18番は、「アゲインストになることで3打目が勝負になる」と、上の段にカップを切った。するとこのホールでイーグルかバーディを奪った選手が82人いた初日から一転、2日目には40人と半分以下になった。田島が「決してやさしくはない」と評するコースは、計算されたセッティングによって、拍手と歓声にあふれた場所となった。

解説・田島創志(たじま・そうし)/1976年9月25日生まれ。ツアー通算1勝。2000年にプロ転向し、03年『久光製薬KBCオーガスタ』で初日から首位を守り、完全優勝。青木功JGTO(日本ゴルフツアー機構)体制では、トーナメント管理委員会 コースセッティング・アドバイザーを務める

<ゴルフ情報ALBA.Net>

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