<センチュリー21レディス 最終日◇22日◇瀬田ゴルフコース 西コース(6,518ヤード・パー72)>
アマチュアとは思えない衝撃の圧勝劇だった。「センチュリー21レディス」最終日に栄冠を手にしたのは米国の20歳、クリスティン・ギルマン。2012年の「サントリーレディス」で優勝したキム・ヒョージュ(韓国)以来、史上2人目となるアマチュアでの初出場・初優勝のおまけつきだった。
首位と1打差の2位から出た最終日。「最初は少し緊張していた」と「全米女子アマ」を16歳で勝った実力者も少し浮き足立っていた。だが、1番パー5の2打目でグリーン近くまで運び“寄せワン”で楽々バーディを奪うと「気持ちが楽になった」。いきなり首位を走る小祝さくらに追いついた。
この日の平均飛距離は258ヤード(3日間平均は243.333ヤード)、11回フェアウェイを捉え、パーオンも15回。安定したティショットと正確なアイアンショットで面白いようにバーディを積み重ねる。終わってみれば2位に4打差、日本のプロたちはギルマンに独走を許してしまった。
使用クラブは、古くからジュニアゴルファーへのサポートに手厚いPING。通常のPING契約プロなら、パターまでも同社で揃えるのが普通だが、そこはアマチュアのこと。パターはアメリカの新興ブランドで、名匠ゲーリン・ライフ氏が手がける順回転がウリの『EVNROLL』の幅広ブレード。また、ドライバーシャフトもスウェーデンの新興シャフトブランド『TPT』を装着していた。
ジェイソン・デイ(オーストラリア)ほか、複数のPGAツアープロが使用するTPTシャフトは、昨季途中から今季にかけて使用者が激増している。ギルマン自身、「冬にシャフトを替えてかなり良くなりました。自信を持って振れるようになりました」と、精密なフィッティングを展開するTPTシャフトの恩恵を口にしていた。
アイアンの全番手の刻印に赤い“色入れ”をしており、知る人ぞ知る新興ブランドの使用は、ギアオタクの証しか。それとも、PINGやTPTシャフトといった“フィッティング”に力を入れるメーカーを信頼してのことなのか。はたして日本でのプロ転向は? 20歳のシンデレラガールの今後に目が離せない。
【K・ギルマンの優勝セッティング(WITB=Whats in the Bag)】
1W:PING G400ドライバー(10°、TPT GOLF 17 LKP/MT/SW)
3W:PING G25 フェアウェイウッド(15°)
3,4U:PING G400 ハイブリッド(19,22°)
5I〜9I,U,W:PING i200アイアン
A,SW:PING グライドウェッジ(54,58°)
PT:EVNROLL ER2
BALL:タイトリスト PRO V1
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