<LPGA最終プロテスト 2日目◇25日◇チェリーヒルズゴルフクラブ>
高校卒業年にプロテスト受験、合格が一般的となっている日本の女子ゴルフ界において、まず大学進学を選び、いまあらためてプロゴルファーの仲間入りを目指しているのが、河本結だ。24日から行われているLPGA最終プロテストの2日目。河本は9バーディ・2ボギーの猛攻で、一気にスコアを7つ縮め、トータル8アンダーの8位に浮上した。
国内組でいえば勝みなみ、新垣比菜、小祝さくら、海外では畑岡奈紗といった面々が活躍をする“黄金世代”と同学年。将来を期待された河本も、昨年、当然プロテストかと思われたが、日本体育大学に進学。プロテストの受験は見送った。「ゴルフ(人生)が終わった後をどう生きていくか、女性アスリートとして大事。人生は長いんです」と、大学で学ぶことを選択した。
とはいっても、完全な学生生活を送るわけではない。昨年のQTにも挑戦し、サードステージで敗退はしたが、「TP単年登録」選手として、今年はステップ・アップ・ツアーに出場。「Skyレディース ABC杯」で優勝を遂げ、大器の片りんを見せている。そして昨年見送った最終プロテストを受験。しっかりと20位タイ以内が合格となる狭き門も、しっかりと圏内に上がってきた。
ツアーにも出場している河本だが、1カ月のうち1週間は試合から離れ、大学に通っているという。「今はレポートに追われています」と話すところがいかにも学生らしいが、スポーツ心理学の勉強や読書を通じて、自身のパフォーマンス向上に余念がない。高校卒業後すぐにプロを目指さなかったことに「1ミリも後悔はない」といいきり、充実した生活を送っている。
将来は海外にも出たいと話すが、刺激となっているのが同じく日本体育大学在籍、卒業の先輩でもある、体操の白井健三やスキージャンプの高梨沙羅ら、トップ選手たちだ。「メダリストが多いので、その中に入っても恥ずかしくない、胸を張れる成績を出したいです」と、まずはプロテスト合格で「正会員」への道をつかむ構え。「自分が自分をつくる。気持ち次第です」。文武両道の精神で、晴れて真の女子大生プロゴルファーの肩書きを手に入れる。
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