ヘッドの操作性や球のつかまりに影響する「重心距離」
マークさん新連載の「これからいきますわ~」は、難しいゴルフクラブの専門用語をゴルパ君と分かりやすく解説していきます!今回は「重心距離」について聞いてみました!
マーク金井プロフィール
1958年9月16日生まれ身長183センチ、
大阪府出身、血液型A型、HC3
ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。
ゴルパ君プロフィール
1999年生まれ
身長変幻自在、
東京都出身、
血液型未公開
ゴルフパートナーのキャラクターとなりはや10年。見てきたクラブは1000万本以上とも言われている。豊富な知識で、ゴルファーに中古クラブを紹介するのが趣味。
新連載の「これからいきますわ〜」では、 ゴルフクラブの「隠れたスペック」を 分かりやす〜くマークさんに解説してもらいます。
いろんなスペックの数値の意味を知っておくと、 ゴルフクラブの性能が自ずと分かってきて、 クラブ選びがラクになるんですよ〜。
記念すべき第1回目のお題は、「重心距離」。 では、さっそくいってみよ〜!
ゴルパ 今回から新連載が始まりましたよ〜。パチパチパチ(拍手)。この連載では、マークさんにゴルフクラブのイロハを教えてもらいます。クラブには、メーカーのカタログに載っているスペック以外にも、いろんな「隠れたスペック」があるみたいですね。重心の位置とか距離とか。ゴルフ雑誌でもよく見ますが、僕はイマイチ何のことなのか分かってないんですよ。
マーク それは、しょーがないですわ〜。最近でこそ一般ゴルファーにも認知されつつあるけど、もともとはゴルフクラブを開発しているような人が、設計の段階で配慮するようなスペック(数値)だもの。それに、そういった研究がなされてゴルフクラブが開発されているのも、ごく最近の話だしね。
ゴルパ へぇ〜。そうなんだ。じゃ、一般ゴルファーはあんまり気にする必要はないのかな?
マーク う〜ん、クラブを買い替える時に、いろんなクラブを試打しまくれるのなら……必要ないかも(笑)。でもね、自分に合ったクラブの「隠れたスペック」を知っておくと、次にクラブを買い替える時のクラブ選びがラクになるんだよ。前にジャストマッチしたクラブの「隠れたスペック」が、次に買い替えるべきクラブ選びの指標になるからね。
ゴルパ そうなんだ〜。いろんなスペックは、覚えておくと後で役に立つんですね。 で、今回のお題は「重心距離」です。「まだまだいけますわ〜」のほうでも何度かこの名前は聞いてますが、一体どこからどこまでの距離なんですか? それを知ると、どんなメリットがあるの?
マーク まぁまぁ、ゴルパくん落ち着いて。まず、重心距離というのは、シャフトの中心線とヘッドの重心点を直角に結んだ距離のこと。重心距離は短いほどヘッドを開閉させやすくて、逆に重心距離が長いとヘッドを開閉させづらいんだよ。つまり、重心距離が短いほどヘッドの操作性がいいってこと。ドライバーもアイアンも、基本的には同じことが言えるんだ。
ゴルパ じゃあ、重心距離は短いほうがいいってこと?だったら、僕はさっそく短いのに買い替えますよ!その短いモデルを教えてください!!!
マーク まぁまぁ、落ち着いて。重心距離の長短には、それぞれにメリットがあるんだから。例えば、マッスルバックのアイアンというのは、総じて重心距離が短くできている。だからヘッドコントロールしやすく、ドローやフェードも打ち分けやすい。でも、スキルのないゴルファーが使うと、ミスショットが大きな曲がりになってしまうから、逆にやさしくないよね。
ゴルパ じゃあ、重心距離は長いほうがやさしいんですね。僕、長いやつに買い替えます!!!
マーク そう焦らないで!ゴルパ君はスライサーだったよね。だったら、ドライバーは重心距離の短いモデルがいいよ。
例えば、この「インプレス X 4.6D」は、めちゃくちゃ重心距離が短いから、こういうモデルがおすすめ。
ゴルパ えぇ! それってどういうこと?だって、重心距離が短いとやさしくないんでしょ。なんだか、よく分からなくなってきました。
マーク それは、あくまでもアイアンの話。ドライバーだと少し話は違ってくる。さっきも言ったけど、どんな重心距離が合っているかはゴルファーによるんだよ。ドライバーの場合、スライサーには一般的に重心距離は短いほうが相性いいんだ。ヘッドを開閉しやすいモデルのほうが、開いてしまったフェースをスクエアに戻しやすいからね。逆にフッカーの場合は、この「G10」のような重心距離の長いモデルがおすすめ。フェースが返りづらいからフックもしづらいというわけ。分かったかな
ゴルパ なかなか複雑なんですねぇ。スライスが持ち玉の一般的なアベレージゴルファーには、アイアンは重心距離が長めのほうがやさしくて、ドライバーは重心距離が短めのほうがいいってことなのかな。ところで重心距離って、どうやったら計れるんですか?
マーク きっちりとした数値は、シャフトを抜いた状態でないと計測できないんだけど…… じゃあ、重心距離を簡単にジャッジする方法を紹介するよ。ひとつは、フェース側からヘッドを見る方法。シャフトがヘッドの中央寄りに付いていれば重心距離が短いモデル。逆にヘッドの端にシャフトが付いていたら重心距離の長いモデルだと思っていいね。もうひとつの方法は、こうやってクラブをグルグル回す。
ゴルパ またマークさん、僕を騙そうと思ってふざけちゃって。
マーク いやいや、本当なんだって。こうやってグルグル回してみて、あまり抵抗なく回転するクラブは重心距離が短いモデル。ヘッドがグワングワン回るのは、重心距離が長いモデルなんだって!このマーク金井、ウソは言いまへ〜ん。
ゴルパ あの〜、関西弁だとよりウソっぽく聞こえるんですけど……。
大型ヘッドのドライバーは、設計上どうしても重心距離が長くなりがちなんです。けれど、最近では大型ヘッドでも重心距離の短いモデルが増えています。
特にキャロウェイやヤマハには、重心距離が短めのドライバーが多いんですよ。ドライバーだけ右にスッポ抜けてしまう人や、スライスに悩んでいる人は、重心距離に注目してクラブを選んでみてください。