道具にこだわりがあるゴルファーはぜひ試してほしい!
今回はホンマ!2019年本間ゴルフは世界ランキング1位になったジャスティン・ローズと契約しましたね。その話題のホンマから出た新しいドライバーです。僕は初めて見ます。クラブの名前はLB-808ep。LB-808はもう発売されていますが、後ろにepが付いたLB-808epは、特別仕様で、つまり限定モデルです。 今回はドライバーとアイアンを試打します。ドライバーは1機種、アイアンはヘッドが異なる2機種を試打!
どういうコンセプトで作ったのでしょうか。まずクラブを見て思ったのが、ホンマの作ったクラブだけあって、初心者向けではないですね。ホンマにはTW(ツアーワールド)という硬派なシリーズがありますが、ツアーワールドに比べると厚みやヘッドから受ける印象が、LB-808epはガチガチのプロ・アスリート向けという感じではありません。ターゲットゴルファーは、ゴルフを始めたばかりではないし、ガチガチのプロ・アスリートでもない人。長くゴルフをやっていて、道具にもこだわりたい、一番コアな層ですね。ゴルフが好きで道具にもこだわる方にLB-808epは作られたようです。
ホンマLB-808epドライバーのヘッドで特徴的なのが、ソール部分のスリットです。さらにクラウンにも3つのウェーブの様なスリットがあります。ゴルフは物理です。上下にスリットが入るということは、わかりやすく言えば、やわらかいということです。インパクト時に金属が受けるボールの衝撃は1トンといわれています。やわらかいということは、その1トンの衝撃を受けたときに、フェースがたわむということです。ルール適合の中でフェースの広い範囲でたわみやすくしていることが、ビジュアルからわかります。
ホンマといえばシャフトはVIZARDですね。今回試打するのはSRで53グラムです。ホンマは顔のいいクラブを作るのが上手くて、このクラブLB-808epも顔がいいです。VIZARDというシャフトにも非常にこだわりがあります。長さが45.5インチ、ロフトが10.75°。9.75°と10.75°の2種類が出ています。一般的な9.5°とか10.5°じゃなくて.75なんですね!
アドレスしたときにホンマらしいなと感じたのは、顔がスッキリしています。通常ウッドはフェースが丸くなってるんです。上下の湾曲をロール、左右の湾曲をバルジといいます。LB-808epはバルジが少ないのでスッキリ見えます。アイアンと同等とまでは言いませんが、けっこうフラットなバルジになっています。丸くないんです。これにはたぶん、理由があるんですね。試打してみればわかると思いますんで、打ってみましょう。
SRなのでヘッドスピード40 m/sくらいで打ちます。けっこうシャフトのしなり感いいですね。ヘッドもシャフトもブルー。打ってみます。なるほどね。シャフトの挙動がけっこうしっかりしています。40 m/sで振ってもトゥダウンが少ないです。打ってみて、フェースが平らな意味がわかりました!ちょっと難しい話になりますが、フェースのトゥ寄りにボールが当たると、ヘッドは開く方向に動きます。フェースのヒール寄りにボールが当たるとヘッドは閉じる方向に動きます。ボールが当たった衝撃でヘッドが開くと、ボールにはフック回転がかかります。これをギア効果といいます。ヒール寄りにボールが当たると、ヘッドがかぶった反動でスライス回転がかかります。このギア効果は、フェースがフラットに近い方が強く出るんです。
LB-808epはバルジがフラットに近いということは、先っぽに当たって右に飛んでも、ボールがフックして返ってくる度合いを意図的に強くしているということです。ヒール寄りに当たって左に飛んでも右回転が強くかかります。僕が試打して感じたのが、打点がトゥやヒール寄りにぶれた時にボールが返ってくる弾道が出るように意図して作られているのではないでしょうか。
ちょっと先に当たったら、きれいにドローの感じが出ます。打点が変わったときに球が返ってくるというのは、ベテランゴルファーの好みです。昔の木のヘッドのときは、先っぽで打つとフック、ヒールで打つとスライスといわれたものです。現在の大きいチタンのヘッドになるとスピンが減って、ボールも昔と違って糸巻きではないので、ギア効果が減ってきたんです。ところがLB-808epは昔のパーシモンほどではありませんが、ギア効果を体感しやすいドライバーです。打点がずれたときに曲がる球のイメージが欲しい人、それはまさにベテランゴルファーですね。そんな人にぴったりなクラブです。
シャフトとヘッドはカチャカチャ式ではありません。VIZARDといういいシャフトがついてます。硬さはSとSRがあり、ロフトも9.75°と10.75°があるので、どのスペックがおすすめと僕が言うのではなく、皆さんも実際に試打してみてください。ホンマならではの打感のよさです。ホンマのクラブを使ってみたいけど、人が使っているのとはちょっと違うものを使いたいな、そんな人はまずは試打をしてください!
アイアンが2機種!まず見て、びっくりしたのが、ドライバーはベテラン向けといいましたが、アイアンはアスリートライクです。女子プロゴルファーが好みそうな感じです。
LB-808 ep Forgedアイアンは軟鉄鍛造キャビティーバックで、シャープなイメージがあります。もうひとつのLB-808 epアイアンは鋳造2ピースのポケットキャビティーで重心が深くなっています。ただ、一般的な重心の深いアイアンに比べるとソールがあんまり広くないです。やさしさを出しつつ、シャープな印象です。アンアンに関しては、やさしさよりも自分で弾道を操作したいとか、構えたときにしっくりくるものがいい、あんまり大きくてファジーな感じよりシャープなものがほしい、だけどそこそこやさしいクラブがほしい、という人向けです。かなり通好みですよこれは。
顔がよくて打感がいい!打感にこだわるなら間違いなくこっち
まずは軟鉄鍛造のLB-808 ep Forgedアイアンから打ちます。通常はヘッドの形状が変わるとロフトが変わって、やさしいモデルはロフトが増えるんです。LB-808 ep Forged アイアンは7番で30°、これは一般的なロフトです。ヘッド形状は2種類あっても、ロフト設定は同じなんです。ということは、5番、6番、7番はやさしい方の2ピース、8番、9番、PWは難しい方の鍛造、といったセットが組むことができるんです。2セット買わなくていいの。
打ってみましょう。顔がとにかくいいですね。ポンと置いて構えたときに、ターゲットを意識しやすい。ヒールに少しポケットがあるので、ストレートネックなのに、少し球を包むイメージが出ます。ホンマは顔がいいの作るのうまいですね。打ちます。こういう音好きな人多いんですよ。球を包んでますね。もう1本まだ打ってないんですけど、打感にこだわるならはい!こっちです。間違いないです。
ロフト設定がForgedと同じで違和感なくコンボしやすい
続いて2ピースの方。こちらのシャフトはホンマのVIZARDの50グラム台のカーボンです。顔は、いけます!Forgedアイアンよりひとまわり大きいですが、グースの度合いがほぼ同じで、違和感がなく、コンボしやすいですね。打ってみましょう。わー、意外!けっこう球を包みます。ただの飛び系ではないです。いい音します。
素材にこだわるならForged、見た目のカッコよさとやさしさなら鋳造2ピースがいいですね。先入観がない人ならば、打って感触がいい鋳造2ピースをおすすめします。このアイアンは、1ヤードでも遠くに飛ばしたいという人向けではありません。自分のゴルフをちゃんとできて、ある程度自分でショットが作れる、でもある程度やさしさもほしい人向けです。まさに女子プロが使っているようなアイアンを使ってみたい人、ヘッドスピード40 m/sくらいでそこそこのショットが打てる人に向いています。満足度が高い、アイアンらしさが感じられる、非常によくできたクラブです。
プライベートブランドかと思いきや、ホンマならではのこだわりがあるドライバー、そしてホンマらしさ満点のアイアン。ホンマのクラブを一度は使ってみたいけど、人とは違うクラブを使いたい、道具にこだわりがあるゴルファーはぜひ試してみてください。
マーク金井 (プロフィール )
1958年9月16日生まれ身長183センチ、 大阪府出身、血液型A型。ゴルフ雑誌編集者を経てフリーに転身。これまで試打したクラブは1,000本を越える。豊富な知識とシングルの腕前でクラブの試打&レポートをゴルフ雑誌やネットで展開。