この時期になると注目を集めるのが、4月5日に開幕する海外メジャー「マスターズ」。オーガスタナショナルGCを舞台に、各ツアーの名手しか出場できないゴルフの祭典が行われる裏側で、石川遼は日本の地区オープンに出場する。その真意はどこにあるのか。
米国ツアーの今シーズンの出場資格を失って、「米国ツアーに再び戻って、そこで勝つため」と、その道程にまずは国内ツアーを選んだ石川。復帰直後は5試合連続で予選落ちを喫したが、昨年の自身最終戦となった「カシオワールドオープン」では2位タイに入り、いい形で2017年を終えた。
18年は国内男子ツアー開幕戦「SMBCシンガポールオープン」で16位タイ、続く「レオパレス21ミャンマーオープン」では予選落ちとなったが、3戦目の欧亜共催大会「メイバンク選手権」では優勝争いに加わり5位タイに入った。石川のキャディを務める佐藤賢和氏は、「去年のカシオでいいフィニッシュができて、その流れから悪くなることなく、シンガポールに入ったと思う。今年は楽しみな年になるのではないでしょうか」と、まだ浮き沈みはあるものの、いい流れをつかめている様子だ。
アジアでの3戦を終え、石川自身は「最後、予選を通っていいプレーはできたけど、4月からの国内開幕に向けて、まだまだたくさんやることはある。基本的には、自分一人でずっと地元で練習します」と、4月12日に開幕する国内初戦、「東建ホームメイトカップ」を前に改善に取り組んでいる。
その矢先、4月4日、5日で行われる地区オープン、「千葉オープン」に出場することを発表。さらに続けて、6日、7日にかけて開催される「岐阜オープンクラシック」にもエントリーした。「すごくタフなスケジュールです」と帯同する佐藤キャディも明かす連戦。レギュラーツアーではない試合への連続参戦は、これまで取り組んできたものを実戦でどれだけ試せるか、という挑戦の意味合いもあるのかもしれない。
それだけではない。今年からジャパンゴルフツアー選手会の最年少選手会長に選出された石川。「ゴルフ界に目を向けてもらうためには、まず自分が活躍して注目してもらうことが大切だと思う」と話していたが、地区オープン2戦への出場は、まさにこの気持ちの表れだろう。
「日本にいるからこそ、会長として男子ゴルフツアーを盛り上げたいという気持ち、責任感がはっきり出ているのではないでしょうか」。ここに石川の決意を感じずにはいられない。
憧れの舞台でトッププロがぶつかり合う裏側、そこに再び立つために挑む日本での2戦。一見地道なスタートだが、いちプレーヤーに加え、選手会長の肩書きが加わった今年は、米国ツアー復帰に向けて大きな一歩になるかもしれない。
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