マーク金井のこれからいきますわ〜

ヘッドの返しやすさが分かる「重心アングル」

新連載「これからいきますわ〜」では、今回もマークさんにクラブの隠れたスペックを解説してもらいます。
第２回目のお題は、「重心アングル（重心角）」。重心アングルの大きさが、ヘッドの返しやすさ、球のつかまりの良さに影響を及ぼすのだとか。一体それってどういうことなの?？

マーク　こうやってヘッド側から見てみてよ。ヘッドが斜めに傾いているよね。フェース部分に注目して見ると、ミズノの「MP クラフト T1」と「スリクソン GiE」では傾きの角度が全然違うでしょ。簡単に言うと、この角度が「重心アングル」。「重心角」とも言うね。

ゴルパ　えっ？いきなりコレが重心アングルなんですか？確かに２モデルを見比べると、ヘッドの傾き方が違います。左側の「スリクソン Gie」のほうが、フェースが上を向いていますけど。

マーク　そうそう。これがモデルによる重心アングルの違い。この状態でフェースが垂直になった場合を重心アングル０度として、斜めになる角度が大きいほど重心アングルの数値も大きくなる。この２モデルでは、「スリクソン Gie」のほうが重心アングルが大きいというワケ。

スライサーなら、重心アングルの大きいモデルを

ゴルパ　ほほ〜。で、この重心アングルの大きさで何が分かるんですか？

マーク　重心アングルが大きければ大きいほど、スイング中にヘッドがターンしやすいと言われているんだよ。僕がこれまで試打してきた経験上からも、ヘッドが返しやすいのは、ほぼ重心アングルが大きいモデルだね。

ゴルパ　むむっ。ということは！インパクトでフェースが開いて当たってしまうスライサーは、重心アングルが大きくてヘッドを返しやすいモデルがいいと言うことですか？

マーク　そのとおり！　ゴルパ君、よく分かってるじゃない。それとは逆に、球がつかまりすぎて悩んでいるフッカーの場合は、重心アングルの小さいモデルを選んだほうがいいね。重心アングルの数値を正確に知るには専用の計器が必要なんだけど、数値的に言うと、ドライバーだと重心アングル23度が平均的。25度以上だと返しやすく感じるし、20度ぐらいだとヘッドが返りづらく感じるね。
ゴルパ　でも、そういった専用の計器がなくても、こうやってテーブルの上にクラブを置いてみれば、おおよその重心アングルが分かるというワケですか。マークさん、スゴイ！

マーク　いやいや、コレは基本的なことなんですわ〜。もう少し追加で説明しておくと、
今どきの大型ヘッドのドライバーには前回説明したように重心距離の長いモデルが多くなっていて、球のつかまりが悪くなっているんだ。そこで、クラブメーカーはこの重心アングルを大きくすることで、球のつかまりの良さをカバーしていることが多いね。
一般的にプロや上級者向けに作られているモデルは、重心アングルが小さめ。アベレージ向けモデルは重心アングルが大きめに作られている傾向にあるよ。

ゴルパ　なるほど〜。重心アングルって、意外と単純明快で分かりやすいかも。

マーク　重心アングルの大きさを決定づけているのは、いろんな複合的な要素があるんだけど……。ややこしくなるから、それはまた別の機会に説明しますわ〜。今回はここまで〜。