<RBCヘリテイジ 最終日◇16日◇ハーバータウンゴルフリンクス(7,099ヤード・PAR71)>
「RBCヘリテイジ」で米ツアー参戦15試合目にして、日本人最速で優勝を遂げた小平智。第2ラウンドはベストスコアとなる「63」を叩きだし、最終ラウンドもブライソン・デシャンボーらと並んでベストスコアタイとなる「66」をマークして逆転優勝。この活躍の予兆は練習日からあった。
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前週出場した「マスターズ」から移動してきた小平は、月曜日はラウンドせず軽めの調整を行い、火曜日に18ホールを回った。日本の林間コースのように林でセパレートされ、グリーンも小さい。米ツアーの中では狭い部類に入る。練習ラウンド2ホール目で「このコース、簡単に感じる。いいスコアが出そう」と口にした。
難度の高いマスターズのコースとのギャップではない。「狙いが定めやすくて、距離も苦にならない」と、小平にとって“普通に好きなコース”だった。昨年の優勝スコアが通算13アンダーと知ると、「天候にもよると思いますが、20アンダーぐらい出そうなのに」と、自分のコースに対するイメージと優勝スコアのギャップを感じた。
約1か月前、小平は「アーノルド・パーマー招待」に出場した。ゴルフの調子が悪かったこともあり、2日間で8オーバーと予選落ちした。「(ローリー・)マキロイの優勝スコア、18アンダーは全く想像できません。今の調子でいっても、あのスコアはイメージできません」と、コースとの相性の悪さを感じていた。
米ツアーはコースの難度が高いイメージがあるが、米ツアー参戦歴のある岩田寛からアドバイスをもらっていた。
「自分で回った感じより優勝スコアが低く感じる“いいギャップ”と、逆に優勝スコアが高いギャップがある。いいギャップの時は『全然いけるよ』という話を聞いていたので、この試合はいけると思っていましたし、すんなりとラウンドできました」。
岩田のアドバイスを聞いていたから、相性のいいコースは普通に戦えれば上位にいけると確信を持っていた。「相性がいいので1週間落ち着いてプレーできた」ことで、もたらした米ツアー初優勝だった。
この優勝により、2020年までのシード権を獲得した。憧れの米ツアーを目指して5年前に予選会を受験し、失敗した経験がある。
「コツコツいくタイプだったので、いきなり優勝して(シード権が)手に入ると思っていませんでした。自意識過剰にならずに、コツコツと、慢心せずに結果を出していきたい。メジャーでも優勝争いできるようにがんばりたい」。
今後出場試合はまだ検討中だが、憧れの米ツアーを主戦場にすることになりそうだ。
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