<センチュリー21レディス 事前情報◇19日◇瀬田ゴルフコース 西コース(6,518ヤード・パー72)>
先週の「サマンサタバサレディース」で有村智恵が優勝。インタビューと表彰式の間に電話で祝福するなど、高校の同級生で有村とは10年以上のつきあいがある原江里菜が盟友の6年ぶりVに心境を語った。
【写真】原江里菜から祝福の電話を受ける有村智恵
「優勝したと聞く前から、(展開的に)勝つんじゃないかって仲の良いメンバーでは話題になっていて、グループラインなどで話していました」という原。そのメンバーの中にはアメリカにいる宮里藍もいて、テレビ中継を“中継”していたという。
その後、優勝したばかりの有村に電話で祝福のメッセージを送った。その際、「電話でしゃべったときに“江里菜が頑張っている姿を見ていたから諦めずにできたよ”と言ってくれて。それは純粋にうれしかったですね」と心にしみる一言を逆にもらったという。その一方でこんなことも思い出した。
「私がQTに行っていた2011年に、樋口久子 森永製菓ウイダーレディスでの智恵ちゃんの優勝インタビューを聞きながら練習していた思い出があって。そのときに悔しさと、ここで終われないという気持ちになったことを覚えています。自分が決意するとき、智恵ちゃんはいつもそばにいるなと改めて思いました。そういう意味でも今回の優勝はとても刺激になりました」
有村は優勝インタビューで「この先も勝って、30代でもやれるところを見せたいです!」と話していたが、「すぐに“次は私!”といった焦りはないですが、智恵ちゃんが私たちの世代に勢いをつけてくれたと思うので、自信を持ってやりたいですね」。その言葉の奥には、30歳となって受けた昨年のファイナルQTで感じたことが含まれている。
「30歳になって、藍さんの(引退の)こともあって、クラブを置くときのことを考えるようになりましたが、昨年QTで50位になって、全試合に出られる出場権がなくなりました。そのときに“やめようとしなくてもやめなきゃいけないときがくるんだ”と思いました。だから、やれる間は目の前の試合や環境を楽しもうと。いつ、この景色が最後になるか自分では決められない。“もう一回見たかったな”と思って辞めるのは嫌だと思っているので。もう一度優勝したときの景色を見たいと思うし、それが無理じゃないと智恵ちゃんも証明してくれたと思う。だから、それに続いていきたいですね」。
そんな盟友の優勝前日には、過去に一度原のキャディを務めたこともある妹・万里加さんに娘が生まれ、初めての姪っ子ができた。滋賀県で行われる今大会の前には、愛知県にある妹のもとを訪れて、姪っ子を抱っこしてから会場に入った。「めちゃくちゃ可愛い。可愛くてしょうがないの。どうしよう(笑)」と早速“伯母バカ”ぶりを発揮している。
そんな激動の一週間を過ごした原だが、ゴルフの調子は上向いてきている。「今週やっと良くなりました。調子が悪くなりクラブが振れなくなってきて、しっかり振れないのはスイングのかたちのせいだと思っていました、ですが、思い切って今週“しっかり振ろう”と思ったら逆に動きが良くなりました。躍動感を出していった方がスイング自体も良くなっているという印象です」とショットメーカーとしてのキレを取り戻しつつある。
周囲に祝福すべきことが続いた一週間。たくさんの刺激を受けて、ツアー通算3度目の絶景を目指していく。(文・秋田義和)
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